東京六大学を筆頭に11の大学チームが県内高校生と対戦する『大学野球オータムフレッシュリーグin静岡』の開催が迫る。ジュニアアスリート静岡では、本大会に携わる高校生&大学生にインタビュー。「野球を通して静岡を盛り上げる」彼らの本音を探った。
『大学野球オータムフレッシュリーグin静岡』とは、東京六大学や東海リーグに所属する大学チーム、さらに静岡県内の高校チームが加わり、選手育成と地域貢献を目的に行われる大会。今年で5回目を迎える本大会の特徴は、なんといっても「高校生」と「大学生」の活躍。高校生と大学生の交流戦はもちろんだが、大会の運営でも「企画チーム」と呼ばれる大学生が活躍している。さらに今年は高校生×大学生のコラボプロジェクトも行われ、商品開発やイベント企画に取り組んだ。そんな大会に携わる学生を取材した。
Vol.1
大学野球オータムフレッシュリーグin静岡 企画チーム
東條大河 × 中垣乃彩
《プロフィール》
◆東條大河 静岡大学教育学部4年 硬式野球部(内野手 兼 主務) 長野県出身 (写真左)
◆中垣乃彩 静岡大学地域創造学環3年 硬式野球部(マネージャー) 岐阜県出身 (写真右)
― お二人は、本大会の企画チームに所属されているそうですね。
東條 はい。企画チームとは、大学生で構成された大会の運営に携わるチームです。本大会には東京六大学の野球部も出場するため、静岡の学生だけでなく関東の学生も企画チームに所属しています。大会運営班・広報班・地域貢献班に分かれており、私は大会運営班・静岡班のリーダーを務めています。
中垣 私は広報班で、PV/SNS部のリーダーを務めています。
― 企画チームに参加したきっかけは何ですか?
東條 実は2人とも昨年に続き2年目の参加なんです。
中垣 私は高校時代の恩師が静岡大学のOBで、先生に勧められて興味を持ちました。その後、野球部の先輩にも背中を押されて参加を決意。去年は2年生でしたが、4年生の先輩方と共に活動しました。
東條 私は4年生になったら企画チームに参加するつもりでしたが、1年でも多く経験を積もうと、3年生の時から参加することにしました。高校時代は、地元・長野で「野球を通して町おこしを」との思いで行われていた子供向け野球教室の運営にも参加。本大会の根幹と通じるものを感じています。
― 去年、初めて大会運営に携わってみてどうでしたか?
中垣 まさか東京六大学の方々と一緒に何かを作り上げられると思っていなかったので、純粋に嬉しかったです。大きいイベントの一部を動かしていることにやりがいを感じましたね。奮闘する先輩方の姿に憧れも抱きました。
東條 私は「いい経験になった」という気持ちが大きかったです。責任が伴う仕事を経験し、その重みを感じました。今年はさらに責任を感じていますが…(笑)
― 今年は新たに、静岡商業高校・富士市立高校とのコラボプロジェクトも行われ、郷土研究や商品開発、イベント企画などに取り組みましたよね。
東條 正直「もし自分が高校生なら、プロジェクトへの参加を億劫に感じてしまいそうだな」とも思っていて、少し不安だったんです。しかし高校生は、大会を良くしようとどんどん前のめりに取り組んでくれて、かなり嬉しかったですね。
中垣 私は、大学生・高校生と区切らずに、同じ「大会に関わる人たち」として一緒に共に頑張っている感覚でした。
東條 徐々に「同じ仲間」として接するようになって、頼みごとも信頼して任せられるようになりましたね。
中垣 大会当日は、実際に高校生が考えた商品を販売したりイベントを行ったりする予定なので、ぜひ注目してほしいです。
― 高校生と関わる中で、印象に残っている出来事はありますか?
中垣 私は富士市立高校の学生の「『野球がわからない人にも、大会を楽しんでほしい』という思いで企画を考えました」という言葉です。受動的ではなく、自分の考えをもとに、主体的に取り組んでくれているんだと嬉しかったです。
東條 静岡商業高校の学生も、商業科ならではの視点で、よく考えてくれました。例えば「大会でキッチンカーを出したい」という意見。恐らく自分が高校生なら「このメニューがいいな」というアイデア出しで終わってしまったと思うんです。しかし高校生たちは「このメニューがいいけれど、大会の観客層とターゲット層がマッチしない」「ならばこのメニューの方がいいのでは」「それなら出店をお願いできる方を知っている」と、単なるアイデア出しで留まらなかったのです。高校生なのにすごいなと素直に驚きました。
中垣 意欲的によく考えてくれて嬉しかったですよね。でも、ある種の無鉄砲さも持ち合わせていて、そこに高校生らしさも見えて面白かったな。
― 高校生と大学生の違いは感じましたか?
東條 大学生というより自分自身との違いかもしれませんが、自分はまず否定から入ってしまうなとハッとしました。アイデアを考えても「でも現実的に無理だよね」みたいな。そこを高校生は「ならどうすればできるか」と前向きに考えてくれていました。
中垣 大学生は「やりたい」よりも「成功させたい」という意識が強いからかも。私が感じたのは、高校生は「やりたい」という強い意志はあっても動き方がわからない。そこで「じゃあここに連絡とってみたら?」と進む道を示してあげたり、実際に連絡してみたりといった、実現に向けた一歩を踏み出すときには、大学生が力になってあげられた気がします。
― プロジェクトも佳境に入り、いよいよ大会当日が迫っています。大会に向けた思いを教えてください。
東條 昨年よりも入場者数が増えたらいいなと思っています。企画チームの頑張りが数字として表れれば嬉しいです。
中垣 皆さんにも「裏方として学生たちが準備を頑張ったんだな」と頭の片隅で思っていただけたら嬉しいな、なんて思いますね。あとは、大会を無事終えた後に「やりきれてよかった」と達成感を味わえるように、最後まで走りきりたいです。
― 最後に、当日球場に足を運んでくださる方々に楽しんでほしいところを教えてください。
中垣 やはりメインの高校生と大学生の交流戦。かなり面白いと思います。
東條 そうだね。去年もかなり盛り上がった記憶があります。
中垣 あとは、選手はもちろん、企画チームの大学生やプロジェクト参加者の高校生など、次世代パワーで溢れていると思うので、そんな球場の雰囲気も楽しんでほしいです。富士市立高校の学生も言ってくれたように、野球の経験がない人にもたくさん来てほしいですね。
東條 メインとなる試合はもちろん、それ以外のイベントにも力を入れて準備しているので、楽しんでもらえるはずです。この大会が、静岡そして野球を好きになるきっかけになれば嬉しいです。当日、ぜひ球場に遊びに来てください。
Vol.2『選手』の本音はこちら
Vol.3『高校生』の本音はこちら
次回Vol.4もお楽しみに!
「第5回大学野球オータムフレッシュリーグin静岡」は11月18日(金)・19日(土)・20日(日)に、草薙球場・庵原球場・富士球場の3球場で開催され、東京六大学を筆頭に大学生11チーム、高校生7チームが参加。全19試合の交流戦を予定している。当日は、高校生×大学生で開発に取り組んだ商品の販売やイベントの実施も予定。入場無料。さあ球場で、次世代を担う高校生×大学生の祭典を楽しもう。詳しくはHPやSNSをチェック。
おすすめの記事
-
夢を追え! 長田 きみの 氏 インタビュー
-
【7月号発行!】今年もいよいよ始まる夏の高校野球!2022年7月号は7月8日(金)より順次配布開始、ぜひご覧ください!(一部地域では配本が遅れる場合がございますがご了承ください)
-
夢を追え! 池田 孝男 氏 インタビュー
-
夢を追え! 松下勝実 氏 インタビュー