スポーツ・文化・芸術に取り組むジュニアアスリート達とそれを支える指導者、保護者達。真剣であればあるほど、抱える悩みは尽きないもの。大好評連載の「小野澤宏時のオフ・ザ・ボール」ですが、今回はご自身も2児の父親である小野澤宏時氏が、そんな悩める皆様の質問にお答えします。
Q1.「いま中2でバスケをやっています。今度自分がバスケ部の部長になってしまいそうです。僕よりうまいやつもいるし、あまり気が進まないですが、みんなからも部長はお前しかいないと言われてます。チームを引っ張って行くには、どういうところに気をつければいいでしょうか。(中学2年)」
人から必要とされているようであればチャレンジしてみることをお勧めします。
あなたが思う「自分よりも上手い友人」がいたとしても仲間から勧められているのであれば、学校生活などプレー以外の面でもみんなが思い描くリーダー像にハマっているということになるのではないでしょうか。1年間という短い時間の中で「なんで、あいつが!?」と思う人がなるよりも「納得」されている状況でスタートする方がスムーズだと考えられます。
次にチームを「引っ張るには」ですが、リーダーが引っ張らなければならないわけではありません。私も昔「リーダー」をしたことがあります。シーズンが始まる前に監督から「今年のキャプテンを〇〇にしようと思っているがどうだ?」と聞かれた際に「誰かに引っ張られなければプレーできないわけではないから誰がキャプテンでもいいですよ」と答えました。その発表後にキャプテンが大怪我をし、私がキャプテンを1年間代行することとなりました。「誰でもいい」といったものに自分がなるわけですからずっと悩んだのを思い出します。結果としては準優勝でしたが、振り返ってみると自分がイメージする「リーダー像」に縛られた一年だったと思います。
その際に考えたのが、自分のキャラクターを無視して「リーダー=引っ張るヤツ」にする必要があるのかということです。実はチームの仲間に「引っ張るヤツ」が大勢いた場合、その時に必要なリーダーは「引っ張るヤツ」ではないはずです。そのため「僕がチームを引っ張る」という強い意志がない場合、先生は「違うもの」をあなたに求めているのかもしれません。自分のキャラクター、チームの雰囲気や仲間のキャラクター、チームの目指す方向、先生の考え方などから「チーム」が変化するため必要な態度をとっていくことが必要だと考えます。
そのためチームが始動する前に、みんながイメージするリーダー像について話し合いや書き出しを行うのはどうでしょうか。
<問い合わせ>
Bring Up Rugby Academy
ブリングアップ ラグビーアカデミー静岡校
詳しくはこちらまで!:https://www.bu-as.com/
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<プロフィール>
小野澤 宏時(おのざわ ひろとき) 静岡県島田市金谷町出身。1978年生まれ。元ラグビー日本代表。静岡聖光学院中等部、高等部、中央大学を経て、トップリーグではサントリーサンゴリアス、キヤノンイーグルスに所属。日本代表キャップ数(出場回数)81は歴代2位。名ウィングとして「うなぎステップ」を武器に代表戦55トライ。現役時代から教育に興味があり教員免許を取得後、筑波大学大学院へ進学、その後日本体育大学の修士課程から博士課程に進み、教育、指導に関する研究に携わる。2018年よりBring Up Rugby Academyコーチ。2019年より、静岡初の女子7人制ラグビーチーム「アザレア・セブン」監督。他、大学講師など多方面で活躍中。
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