夏の熱中症予防策

子供のために大人が知っておくべきこと

夏の熱中症予防策

 

近年、夏が来るたびに話題になるのが「熱中症」です。我々おとながこどもだった頃、熱射病だとか日射病だとか言っていた、あれとおんなじもののはずです。
今は地球温暖化と言うけれど、あの頃の夏が涼しかったわけではありません。自宅や学校、屋内スポーツの場合などは今やエアコンが効いてますから、むしろ昔の方が劣悪な環境だったかも知れません。さらに、昔のスポーツの世界は「水を飲むとは何事だ!」という空気に覆われていました。そんな時代に、熱中症になる人やスポーツ選手が今より本当に少なかったのか、とっても不思議です。
ともあれ、また今年も暑い熱い夏がやってきました。なんとかして熱中症を防ぎたいものです。その基本は、からだから失われた成分を補うことに尽きます。失われる一番は、そうです、汗です。汗の主成分は水と塩分です。この両者、まとめて大量に補給するよりも、少しでも失われたらその分を補う作業を繰り返すのがコツです。加えて、特にスポーツ活動ではエネルギーも失われています。エネルギーの材料を補うにはブドウ糖が最適です。
イオン飲料は、これらをほどよく含んでいるので便利ですね。ただし、製品によって塩分や糖分の濃度が違うので、状態に合わせて選択をしましょう。激しい運動をするわけでないのなら、代替としてみそ汁やコンソメスープで十分です。夏の定番、冷たい麦茶やお茶は、残念ですが塩分の補給ができません。
汗をかく際に発生する〝熱”を上手に処理することも大切です。エアコンや扇風機で一気に全身を冷やすのは、熱中症予防としては得策ではありません。おでこ、うなじ、わきの下などのポイントをうまく冷やす方が効率的です。

文・田中敏博

 


<プロフィール>
田中敏博。静岡市葵区出身。小児科医。 静岡厚生病院小児科、勤務。 小学校から現在までバスケットボールを続ける。 (公財)日本スポーツ協会公認スポーツドクター。(一社)静岡県バスケットボール協会理事 兼、スポーツ医科学委員会委員長。

 

 

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