ラグビーが楽しい!貴重な経験を積み重ね、快進撃が止まらない静岡聖光学院高校ラグビー部!ブラックジャージに身を包む33人が今冬、昨年のリベンジを晴らし2年ぶり静岡代表の座を勝ち取りに行く!
静岡聖光学院高等学校
ラグビー部
中高一貫の聖光学院高校ラグビー部が躍動している。静岡県勢として13年ぶりの東海総体Aブロック決勝進出、県代表として出場した全国7人制大会で48校中11位。好調の秘密は何なのか。監督、選手に話を聞いた。
攻めて、攻めて、攻めまくる。やりたいラグビーを思い切り。
「10点取られたら30点取る」。監督2年目の松山先生は今のチームをそう表現する。早稲田大学ラグビー部を経て大学や高校でコーチと監督を歴任した指導者は、「選手たちの長所が活き、彼ら自身が望むスタイルのラグビーにしたい」とキックとディフェンス中心だった聖光ラグビーを、ボールを保持して攻め続けるアタッキングラグビーへと転換した。当たり負けない、走り負けない、速いテンポでアタックを繰り返す練習を徹底。短時間練習で有名な同校では困難と言われた体力づくりは、選手たちが自主練習でカバーした。松山監督は「彼らは心の底からラグビーを楽しんでいます。試合での攻めの姿勢は、私たち指導者の想像を超えることもあります」と目を細める。攻撃の中心は強力なバックス陣。3年生の小野澤、藤田豪太郎、2年生の古瀬、土屋を止めるのは容易ではない。今年4月から、帝京大学でバックスコーチとして9連覇を支えた細野コーチが指導に加わり攻撃力は更に上昇。全国セブンズ11位へと躍進した。フォワード陣を含む総合力も高く、高校総体県決勝は昨年の高校ラグビー県決勝で敗れた静岡翔洋高を61対12と圧倒。それでも決して油断はできない相手。選手たちは、東海総体や全国セブンズで強豪に敗れた経験から多くの課題を見つけ、自ら修正に取り組む。8月恒例の菅平合宿では、お家芸のキックとディフェンスに着手し、戦い方の選択肢を広げる。藤田武蔵キャプテンは「目標はシード校を倒して全国ベスト8」と意気込む。
インド派遣による学びと成長。「目の前のやるべきことをやり切る」
国際交流が盛んな同部は今年3月、インド派遣を実施した。同志社大学ラグビー部などと連携し、「ラグビーを通じてインドの子どもたちと交流し、国際支援や世界平和に貢献できる人間となるための資質や感覚を現地での実体験を通じて身につける」ため、部員7名が参加。貧困に苦しむ子どもたちがラグビーを楽しむ笑顔から、多くの刺激を受けた。参加した藤田武蔵は貧困層の課題を解決する社会起業家を目指す機会になり、虎岩壱悟(3年)は教育者になる決意を強くした。また、8日間の濃密な体験は「今自分の目の前のやるべきことをやり切る」ことの大切さも教えてくれた。3年生8人の中には、早稲田、慶應への進学を目指す部員もいる。ラグビーには熱い気持ちと同時に、人間力や冷静な判断力、頭脳も必要だ。ラグビーも勉強もやり切るエネルギッシュな3年生、元気がよくチームに活力を与える2年生12人、フレッシュな1年生13人、ブラックジャージに身を包む33人が今冬、昨年のリベンジを晴らし2年ぶり静岡代表の座を勝ち取りに行く。「来年1月3日は花園です」と虎岩。第103回全国高等学校ラグビー大会準々決勝の舞台だ。
キャプテン FW(フランカー、No8)
藤田 武蔵(ふじた むさし)
FUJITA Musashi
年中から小6まではサッカー。ラグビー経験者の父親と日本代表の南アフリカ戦勝利を観て、中学からラグビーをやると決意し藤枝青島北小から同校へ。強いインパクトで当たり負けないタックルが最大の武器。好奇心旺盛で昨年夏にニュージーランドへラグビー留学。「6年間で築いた仲間との絆が宝物」という情に厚いチームリーダー。
FW(ロック)
虎岩 壱悟(とらいわ いちご)
TORAIWA Ichigo
東豊田小出身。年中から静岡RSでラグビーを始める。同部で活躍する先輩や黒ジャージへの憧れから同校へ。187㎝94㎏の体格を生かしたラインアウトには絶対の自信を持ち、大会では気持ちで負けない積極プレーを目指す。「優しい先輩、一人一人に情熱を持って接する先生方のお陰で精神的に大きく成長できた6年」と感謝を忘れない。
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