成長期にはたくさん食べて、カルシウムと鉄分をしっかり摂ってと お話ししてきました。その栄養をより吸収しエネルギーに変え、 身体の機能を調整する栄養素がビタミンとミネラルです。 今回は、その2つを含む超おススメの食品をご紹介します。

中野ヤスコの「食事と栄養の基礎知識」

キノコと海藻を食べなきゃ!意識して食習慣を変えよう。

前回紹介したカルシウムと鉄はミネラルですが、ビタミンとミネラルはとても種類が多く、何が何に含まれ、どんな働きとか、全部覚えるのは大変ですよね。でも、食習慣を変えれば大丈夫!まずは副菜です。主食をたくさん食べて副菜は少しという男の子が多いですが、これはガソリンが満タンなのに上手に動かない典型です。野菜、キノコ、海藻類を主菜より多く摂りましょう。キノコ、海藻類は、アスリートの筋肉の収縮に関わるビタミンDやカルシウムを多く含み、肉離れが多い、足がつる、筋肉痛がとれないジュニアアスリートには特におススメです。うちの息子は自分で海藻サラダを作りますし、ベルテックスの選手にも「キノコと海藻、キノコと海藻」と口酸っぱく言っています。意識して摂取量を増やすことが大事です。

アスリートはなぜ果物をよく食べる?

果物はビタミンCと糖質を多く含み、お肌や疲労回復に良いというイメージが強いですが、実はそれだけではありません。ビタミンCは、鉄分やカルシウムの吸収を促進したり、コラーゲンを形成したり、その役割は多岐に渡ります。アスリートが果物をいっぱい食べる理由は、そこにあります。美容と健康に良いビタミンCは、女性だけでなくアスリートにとっても欠かせない栄養なんです。

ビタミンB1の摂取にはお米を変えるのが一番ラク!

糖質をエネルギーに変えることで有名なのがビタミンB1。主食のご飯やパンをいっぱい食べる成長期のお子さんにとって、とても大事な栄養素です。特にビタミンB1を多く含むのが豚肉で、スタミナ炒めに豚肉が使われる理由でもあります。でも毎食豚肉にするのは大変ですし、脂質の摂り過ぎにもなってしまいます。そこで一番おススメなのがお米を変えること。お米の先の欠けている部分にある小さな黄色の粒は胚芽といって、実はビタミンB1をはじめ、大事な栄養がいっぱい詰まっているんです。胚芽を残して精米した胚芽米は、玄米よりも食感や味は白米に近く食べやすく特にオススメです。胚芽米はスーパーにおいてないことがあるので、お米屋さんで「5〜7分づき米」に精米してもらうといいですよ。我が家も胚芽米です。

今回紹介した、きのこ、海藻類、果物、胚芽米は、とても調理が簡単ですし、意識して食べることで怪我の予防やパフォーマンスの向上につながります。学生時代に怪我に泣いたアスリートの方たちからは「成長期の頃に知っておけば良かった!」とよく聞きます。まずは意識して食生活を変えることからチャレンジしてみましょう。


<プロフィール>
中野 ヤスコ(なかの やすこ)
日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士・管理栄養士・調理師
㈱食の学び舎くるみ代表取締役 「くるみキッチンプラス」オーナー
プロアスリートとの個人契約、藤枝東高サッカー部、藤枝東FC(小・中学生)、プロバスケットボールチーム「ベルテックス静岡」等。静岡市内だと、静岡学園卓球部、東海大静岡翔洋ラグビー部のサポートなど数多くの地元チームやジュニア選手への、食事提供や栄養指導も定期的に行っている。高1、高3男児の母。

公認スポーツ栄養士中野ヤスコ

くるみキッチン 

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アスレシピ
中野先生も執筆している「アスレシピ」には、筋力アップ、疲労回復などの目的別、スポーツ別や栄養素別のレシピが数多く掲載されている。その他、コラムやママ特派員の投稿には、Jrアスリート世代の食に関する悩みを解決するヒントもある。

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