何でもお悩み相談室(3)

スポーツ・文化・芸術に取り組むジュニアアスリート達とそれを支える指導者、保護者達。真剣であればあるほど、抱える悩みは尽きないもの。大好評連載の「小野澤宏時のオフ・ザ・ボール」ですが、今回はご自身も2児の父親である小野澤宏時氏が、そんな悩める皆様の質問にお答えします。

Q1.「筋トレなどを限界までやっていて辛い時などどうすれば良いですか?(中学生)」

中学生なので、器具を使ったものというより、自分の体重を使った腕立て伏せや腹筋、スクワットなどが中心だと思います。それを前提として、
①トレーニング中に辛い
②トレーニング後に辛い
の二つに分けて考えてみましょう。
①トレーニング中に辛い場合
自分の限界を認識できていて、その上で限界まで追い込むことができていれば、それは練習の質が高いということなので、辛い段階で終るべきだと思います。
②トレーニングをした後に辛い場合
リカバリーについて考えると良いでしょう。栄養補給、水分補給、睡眠、ストレッチ、治療、など様々なリカバリーメニューが存在します。日々のケアと言ってしまえばそれまでですが、これは継続する上でも、怪我を防ぐ意味でも、とても大切なことです。また、水分補給など、失われたものを「どこまで補うのか」を考えた時に、普段から自身の体重を把握しておくことも必要です。
ハードトレーニングに対しては、リカバリーのバランスが崩れると怪我につながりやすくなります。トレーニングの刺激をプラスに変えるかマイナスに変えるかは、トレーニング後のリカバリーにかかっています。
また、肉体的にではなく、精神的に辛いと感じた場合は、決して無理をせず、一旦競技から距離を置いてみること、休むことも必要です。それでも上手くなりたい、強くなりたいと思えば、また再開すればよいと僕は思います。

Q2.保護者の方が一生懸命なのは本当に有難いのですが、練習方法や戦略まで口を出す方がいて、どう接すれば良いか困っています。何か良い方法はありますか?(部活顧問)」

僕の場合、コーチング(選手の育成)の観点や、それに対する自分の考え方をしっかりと説明するようにしています。
①長期計画と短期計画
チーム作りや選手の育成には「長期的なもの」と「短期的なもの」という2つの視点があります。
ついつい短期的な結果を求めがちですが、それでは良い選手、いいチーム作りはできません。まずは、そこを整理して、きちんと説明した上で、理解いただくことが大事だと思います。
②年間でのピーキング
1年の中で、どこにピークを持っていくのか、ここも大事なポイントになります。今は育成においてどの段階なのか、選手はもちろん、保護者の方にも理解いただく事で、指導がスムーズにできるようになると思います。
学校部活動の場合、1年生から3年生までと学年により経験や身体条件も異なるので、指導者の育成に対する考え方をしっかりと話しておくことが大切です。
その上で保護者の方も集めて、学びの環境設定についての講習会を行うなど、学習者(生徒たち)にとって良い環境とは何かを、一緒に考えてもらう時間を設けるのもいいと思います。
そのためにはまず、指導者側がしっかりとした説明ができる「専門的知識の獲得」「状況に応じた対応力」「常に学び続けるという意思」を持ち続けることが大切だと思っています。

<問い合わせ>
Bring Up Rugby Academy
ブリングアップ ラグビーアカデミー静岡校
詳しくはこちらまで!:https://www.bu-as.com/rugby

悩める皆様からの質問を受け付けております。こちらよりご応募ください。

 

第一回 どうすれば「ゲーム」に勝てる?

第二回 「コーチ1分ください」 集団で考える、学ぶ

第三回 やさしくなると、プレイが変わる

第四回 大きな怪我をしないために

第五回 親がどこまで口を出すべきか ~スポーツと親子関係~


<プロフィール>
小野澤 宏時(おのざわ ひろとき) 静岡県島田市金谷町出身。1978年生まれ。元ラグビー日本代表。静岡聖光学院中等部、高等部、中央大学を経て、トップリーグではサントリーサンゴリアス、キヤノンイーグルスに所属。日本代表キャップ数(出場回数)81は歴代2位。名ウィングとして「うなぎステップ」を武器に代表戦55トライ。現役時代から教育に興味があり教員免許を取得後、筑波大学大学院へ進学、その後日本体育大学の修士課程から博士課程に進み、教育、指導に関する研究に携わる。2018年よりBring Up Rugby Academyコーチ。2019年より、静岡初の女子7人制ラグビーチーム「アザレア・セブン」監督。他、大学講師など多方面で活躍中。

 

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