24年連続インターハイ出場! 7月の東海総体に男女とも出場し、女子の個人3種目、メドレーリレーで全国高校総体参加標準記録を突破。水泳王国・城南の伝統を守る男女、学年を超えたワンチーム。

城南静岡高等学校
水泳部

7月の東海総体に男女とも出場し、女子の個人3種目、メドレーリレーで全国高校総体参加標準記録を突破。静岡女子商高時代から続くインターハイ連続出場記録を24年に伸ばした城南静岡水泳部を取材した。

第一目標はリレー競技で全国。女子メドレーリレーが達成。

城南静岡水泳部には、リレー競技でインターハイ出場という第一目標がある。個人記録が注目される水泳競技にあって、「知」「徳」「体」バランスの取れた「生きる力」の育成を理念に掲げる城南らしく、チームで目標を達成することを大事にしている。飛び抜けた選手がいなくても、力を合わせれば全国に行ける。これまでも、時には男子、時には女子のリレーがインターハイ連続出場を途切れさせずにきた。今年は、背泳ぎの兵藤茉羽(1年)、平泳ぎの柴本真衣(3年)、バタフライの高部穂波(3年)、自由形の髙遥香(1年)の女子4×100mメドレーリレーが目標を達成。中学3年時に800m自由形全国2位の髙は、「リレーに出てみたかった」と城南を選んだ。「全員で盛り上がれるリレーが好き」という柴本は、記録が伸びずに苦しい時期もあったが、先輩や仲間から刺激を受け「結果が出なくても練習を楽しめるようになった」と高校3年で中学時の自己ベストを更新した。個人種目でもインターハイに出場する柴本、高部、髙は、各々が所属するクラブで練習するため、リレーは本番一発勝負になる。それでも、学校生活の中で話し合いを重ね、学年関係なく互いの頑張りと泳ぎをリスペクトし合う4人の息はピッタリ。全国の舞台でチームベストを出すのが目標だ。

スイミング組も部活組も、チーム一丸で盛り上げる風土。

体育館の2階にある25m×7レーンの室内温水プールでは、中等部と高等部が一緒に練習する。部員は初心者から全国レベルの選手まで幅広く、目標もインターハイ出場から県大会出場まで様々だ。同部OBで指導11年目の山口先生は「部活動は社会現場の縮図。ただ速いだけではダメ」と挨拶や時間厳守、ネガティブ発言NGなど、人としての成長を部員に求める。また、同部では静岡市の水泳発展に貢献しようと、小中高生が参加する城南静岡杯水泳記録会を開催。部員が運営に携わり、その回数は女子商時代から30回を超える。中学から同部に所属する佐藤真希キャプテン(3年)は「男女学年問わず仲が良く、全員で盛り上げようという雰囲気がある」とチームの一体感を誇る。記録の計測や声掛け、準備や片付けで支えるマネージャーたちの貢献度も大きい。部活で泳ぐこともある高部は「いつも明るく迎え入れてくれて、一緒に頑張ろうという気持ちになる」という。「練習は別々でも一つのチーム」と佐藤。特に今の3年生は、コロナ禍で規制の多い中、互いに励まし合ってきた仲だ。目標のレベルは違っても、そこに向かって頑張ることに意味がある。仲間がいるから頑張れる。それが、水泳王国・城南に脈々と流れる風土だ。


100m、200m平泳ぎ・4×100mメドレーリレー
柴本 真衣(しばもと まい)
SHIBAMOTO Mai
牧之原市出身。スポーツクラブACE ONE所属。小学1年から水泳を始め、榛原中時代に全中2年連続出場。勉強も水泳も頑張ろうと城南に進学し、3大会連続インターハイ出場。伸びのある大きなストロークを武器に、昨年の県新人戦200m平泳ぎでは岩崎恭子氏の持つ大会記録を26年ぶりに更新。夢は日本選手権決勝の舞台に立つこと。(写真左)

200mバタフライ・4×100mメドレーリレー
高部 穂波(たかべ ほなみ)
TAKABE Honami
清水五中出身。レオリブレスポーツクラブ所属。3歳から水泳を始め、クラブの多くの先輩が在籍する城南へ。後半もペースが落ちない強さを持ち味に、200mバタフライで県総体3連覇。「水泳は高校まで。最後の大会になるインターハイで自己ベストを超える2分16秒台を出して笑顔で終わりたい」と意気込む。(写真中)

400m、800m自由形・4×100mメドレーリレー
髙 遥香(たか はるか)
TAKA Haruka
清水七中出身。とこはスイミングスクール所属。2歳から水泳を始め、昨年全中の800m自由形で全国2位。リレー競技への興味から城南に進学し、入学早々の日本選手権(5月)、1500m自由形で自己ベストを30秒以上更新し、静岡県新記録を樹立。ナショナルタイムも突破し、全国選抜選手の合宿に参加。インターハイでは表彰台を目指す。(写真右)

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