創部から35年、高校総体2回、ウインターカップ1回の全国大会出場をはじめ、県代表としての出場回数が10回の静岡女子高バスケットボール部。そこには、選手同士が互いを高め合う、先輩たちから脈々と引き継がれた風土があった。

静岡女子高等学校
バスケットボール部

人が環境を作る、環境が人を作る。
先輩たちが培ってきた風土と伝統。

放課後の体育館。監督とコーチが見守る中、互いに声を掛け合い練習に励む選手たち。体育館コート脇の壁には、「想いあれば必ず叶う」「伝えよう、聴きとろう、理解しよう」「習うより慣れろ!⇒良い習慣」など、様々な言葉が並ぶ。柘植夏也監督が同校に就任した36年前、校内放送による部員募集から始まった同部は、県代表歴10回を誇る名門チームとなった。「人が環境を作る、環境が人を作る」という柘植監督。部員たちには、バスケ選手としてだけでなく、常に模範生徒であることを求める。部員たちは、勉強や学校生活にも一生懸命だから、学校中が彼女たちを応援する。それが、静岡女子高バスケ部に代々伝わる風土であり、チームの強みだ。コート内では選手同士が厳しく指摘し合い、コートを離れれば和気あいあい。3年生は卒業間際まで後輩たちの指導にあたり、卒業生もよく顔を出し、毎年OG対現役の交流戦が行われる。同じバスケを愛する仲間同士が、互いに切磋琢磨しながら、人として、選手として、己を磨く環境がある。

走りも当たりも絶対負けない。
目標は県総体予選ベスト8。

チームの目指すスタイルは堅守速攻。堅い守りから、攻守の切り替えを速くする、トランジションバスケだ。そのために、シャトルランや2分間走、ラグビーで使用するダミーを使った練習など、走り負けない、当たり負けしないための練習メニューを、バスケをよく知るコーチ2人が組み立てる。また、毎月2回外部トレーナーを招き、体幹、走力、筋力を鍛える。部員は2年生6人、1年生5人の11名。チームの中心となるのは、ゴール下に強い部長の大谷紗耶香(5番センター)と、3ポイントとキレのあるドライブが持ち味のキャプテンの川村美愛(4番ガード)だ。中学時代、別の学校で互いに凌ぎを削り合う中で仲良くなった2人がチームを引っ張る。先発メンバーは2年生3人、1年生2人と学年は関係ない。「仲間であり、互いがライバルとして高め合っています」と大谷部長。1月の新人戦は中部3位だったが、新型コロナの影響で県大会は中止となった。川村キャプテンは「先輩たちに少しでも近づきたい」と3年生で迎える最後のインターハイ予選県ベスト8を目標に掲げる。体育館の壁には、リオ五輪でメダルを獲得したトップアスリートの名言「練習で失敗していなかったので、練習通りやれば必ず上手くいくはず」「今日負けたら一生後悔すると思って戦った」も掲げられていた。辛い練習をみんなで乗り越えてきたことが、試合に勝つことで報われる。「頑張ってきて良かった」。高校バスケ最期の夏、そう思えるために彼女たちは今日も汗を流す。


部長
大谷 紗耶香(おおたに さやか)
Sayaka Otani
安倍川中出身。中学からバスケを始め、高校でも続けるかどうか悩んだが、先輩から熱心に声を掛けられ、ここで技術を磨こうと同校へ。身長169cmながら球際に強く、リバウンドを得意とする。コート外での挨拶や生活態度など、仲間や後輩の模範となりチームをまとめ、川村キャプテンと共にチームを牽引する。(写真右)


キャプテン
川村 美愛(かわむら みなる)
Minaru Kawamura
大井川中出身。小学3年からバスケを始め、中学時代はフォワードでシューター。静岡女子高バスケ部先輩の練習を見て「かっこいい」と同校に進学し、高校からガードに。「キャプテンとして、ガードとして、声出しでもプレーでもチームを引っ張る」と、インターハイ県予選県ベスト8進出に闘志を燃やす。(写真左)


 

 

 

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