清水国際高校設立の1994年、男女共学になると同時に誕生した男子ホッケー部。全国 インターハイ出場2回、全国選抜大会出場4回 を誇る同部が、6年振りの全国選抜大会出場 に向け、東海大会に挑む。

清水国際高等学校 男子ホッケー部

初心者軍団が挑む全国の舞台。夏のリベンジを選抜で果たせ!

現在、県内に男子ホッケー部があるのは3校。県代表を決める一戦は、常に沼津東高、御殿場西高との三つ巴となる。東部にある県内唯一の中学部活の経験者を擁する2校に、初心者軍団の清水国際が挑む形だ。今夏のインターハイ予選は2校に引分けで全国に一歩及ばず。21年振りの悲願は叶わなかったが、3年生の8人中6人が部に残り、12月開催の全国選抜大会出場を目指している。10月に行われた県予選は、両校に1対0の無失点勝利。夏のリベンジを果たし、県1位で東海大会出場を決めた。ホッケーは11人対11人でゴールを奪い合い、ゲーム展開はサッカーに似ている。スティックを使い、硬式野球に近いボールを操るのが大きな違いだ。チームを率いて19年目の木内寿政監督と顧問13年目の坂井聡志先生は、共に明治大学ホッケー部OB。競技初心者の部員たちに、スティックの操作から基本的な動き方を一から教えていく。目指すスタイルは、全員が連動する組織的なホッケーだ。攻撃も守備も、一人一人のポジショニングや周りを生かす動きやプレーが大事になる。「まずはホッケーを楽しむこと。そして、チーム全員で勝利する喜びと共に、ホッケーを通じた成功体験から将来への自信につなげてほしい」と木内監督。何よりも部員たちの成長を願っている。

学年の壁を越えた仲間たち。強みは抜群のチームワーク

部員は、2年生8人、1年生10人を加えた24名。ナイター設備の整った人工芝グラウンドで、基本を学んだ1年生を交え、全員が同じ練習メニューをこなす。競技人口が少ないため、ホッケーを生かした進学サポートがあるのも同部の魅力だ。明治大学、法政大学、東京農業大学、関西学院大学などに進学実績がある。社会人チームで活躍する卒業生もおり、OB達が月に数回コーチに来てくれる。競技の裾野拡大にも積極的だ。県スポーツ協会が行う「くさなぎ寺子屋」でホッケーに興味を持った小中学生を対象に、同校グラウンドで教えている。「部員は宝」という木内監督。今のメンバーがいるからみんなでホッケーを楽しめる。指導者にも発言しやすく、何かあればいつでも休める環境を大切にしている。仲間を大事にする意識は部員にも浸透し、副将の山本翔太(3年)は「学年間の隔たりがなく、何でも言い合える仲間です」と同部の魅力を語った。練習中も明るい雰囲気で、選手同士が互いに声を掛け合う。「メンタルの強さが鍵になる」という有賀琉晴(3年)の言葉通り、全国大会行を決める東海大会では、あと一歩の差が勝敗を分ける。高校に入ってゼロからスタートした仲間と、抜群のチームワークを武器に、人生初の全国大会出場行きに挑戦する。そこから得るものは、勝敗に関わらず、果てしなく大きい。


副将
山本 翔太 (やまもと しょうた)
Shouta Yamamoto
静岡市清水区出身。小島中では野球部に所属。野球が活かせる競技に魅力を感じ同部へ。2 年生からゴールキーパーを務める。「出場できなかった県予選は、みんなの頑張りで無失点に抑え予選通過できた。その恩に何とか報いたい」と東海ブロック予選での健闘を誓う。将来の夢は機械技術者。

 

 

 


有賀 琉晴 (ありが りゅうせい)
Ryusei Ariga
静岡市葵区出身。竜爪中ではテニス部に所属。新しいスポーツに挑戦しようと同部へ。「トラップやドリブル、敵をかわす動きが楽しい」とホッケーの魅力にはまる。ポジションは守備の要、スイーパー。「練習は大変だけど、目標があるから頑張れる」と悲願の全国大会出場をかけた戦いに、強いメンタルを持って挑む。

 

 

 


 

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