ジュニアアスリート のためのメディカルコラム〜子供のために大人が知っておくべきこと

健康な歯は活躍の源

 スポーツ選手のカッコいい姿がテレビに映る時、口元も素敵なことが多いと思いませんか?! 口の中まで健康だから活躍できるという面もあるでしょうし、そのようにする心掛けのある選手だからという面もあるでしょう。

 乳歯のうちは、「ご飯を食べたら歯をみがく」習慣をまずつけることがとても大切です。甘いお菓子や飲み物をダラダラと口にしないようにする習慣と共に、歯みがきが生活のリズムの一部となれば、大人になってもそれが当たり前に続きます。虫歯や歯周病(歯槽膿漏)に悩まされているようでは、スポーツにも集中できません。  永久歯が生え始めたら、歯ならび、かみ合わせも気になるところです。奥歯をかみしめることによって、踏ん張って力を込める際のレベルが高まることが知られています。スポーツをする中で、うまく安定的なかみ合わせにするために、歯の矯正などが必要な場合もあります。

 本格的なアスリートでは、身体接触の多い競技種目をはじめとして、外傷から歯を守るためのマウスガードの着用も必須です。奥歯を守りながら効果的にかみしめるためのマウスピースも、徐々に普及してきています。

 20歳前後に出てくる“親知らず”によるトラブル対策としては、抜歯も積極的に考慮してタイミングを計ります。

 なかなか気づかれませんが睡眠中の歯ぎしり・かみしめは、歯をすり減らすだけでなく、良眠を妨げ、健康を損なう原因になります。やはりマウスピースが役立ちます。

 健康な歯の持ち主であることは、一流のアスリートの条件と言えるでしょう。歯医者さんはそのためのパートナー、チームスタッフの一員ですね。

文・田中敏博

 


<プロフィール>
田中敏博。静岡市葵区出身。小児科医。 静岡厚生病院小児科、勤務。 小学校から現在までバスケットボールを続ける。 (公財)日本スポーツ協会公認スポーツドクター。(一社)静岡県バスケットボール協会理事 兼、スポーツ医科学委員会委員長。

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