ジュニアアスリートが育つ食事のコツは、量と栄養バランス、食べるタイミング。

「食事はいつ食べさせればいい?練習前?後?」「何を食べれば背が伸びる?」。スポーツをするお子さんを持つ親にとって食に関する悩みは尽きないもの。ジュニアアスリートを伸ばす食事と栄養について、公認スポーツ栄養士の中野ヤスコさんに話を聞いた。
人生で一番成長する時期。まずはしっかり〝食事で〟量を食べること。
人の身体は食べるもので作られています。栄養バランスのとれた食事が大切なのは老若男女変わらず、オリンピック選手も同様です。主食(お米、パンなど)、副菜(野菜、海藻など)、主菜(肉、魚など)、果物、乳製品をバランスよく取ることが、成長期のお子さんには特に大事。サプリメントやプロテインは、しっかり食事で食べられる土台ができている選手に有効です。
そして忘れてはいけないのが「量」。「うちの子は本当によく食べるんですよ」という親御さんもいますが、ご自分と比べていませんか?実はスポーツをするお子さんの大半がエネルギー不足。つまり量が足りません。スポーツ選手であれば、運動のため、体を作るため、より多くのエネルギーが必要です。成長期に栄養バランス良く、しっかり量を取ることで、健康で強い体の土台ができあがるのです。
大事なのは「いつ」「何を」食べるか。怪我予防、筋力アップ、疲労回復に。
スポーツ選手に必要な筋肉。効果的に動かし、成長するために大事なのが、負荷と栄養補給のタイミングです。空腹時は筋肉を動かすエネルギーが不足しているので、パフォーマンス低下や怪我につながります。練習や試合前は、炭水化物を消化しやすい形で補給することが大事です。また、動いた後は筋肉が損傷しているので、早く修復することが大切。すぐに炭水化物やたんぱく質を補給することで、翌日の疲労感が全然違います。
また最近は、アクティブレスト(積極的休養)と言って、疲労時に体を軽く動かすことで血流の改善を図り、疲労物質の排出をする疲労回復法が注目されています。スポーツ栄養学で、疲労時にあえて食べることが効果的と言われているのが、糖質の補給と合わせて、肉や魚に含まれる動物性たんぱく質や大豆製品の植物性たんぱく質。エネルギーを作りだすときに必要なビタミンB群も多く含んでおり、疲労回復に役立ちます。大豆製品を食べにくい人には、最近注目されている大豆ミートなどの代替肉を積極的に取り入れてみるのもおすすめです。ぜひ正しい知識を身につけ、ジュニアアスリートの明るい未来を築いてください。
「家族や仲間と一緒に食事を楽しむことで得られる『心の栄養』、子どもが自覚し自分で食事を管理する力も大事」という中野さん。子どもと一緒に理想的な食生活を考え、実行することは、保護者の皆さんの健康にもつながるはず。貴重なお話、ありがとうございました。
<プロフィール>
中野 ヤスコ(なかの やすこ)
日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士・管理栄養士・調理師
㈱食の学び舎くるみ代表取締役 「くるみキッチンプラス」オーナー
プロアスリートとの個人契約、藤枝東高サッカー部、藤枝東FC(小・中学生)、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田ユース、プロバスケットボールチーム「ベルテックス静岡」等、数多くの地元チームやジュニア選手への、食事提供や栄養指導も定期的に行っている。高2、中3男児の母。
公認スポーツ栄養士中野ヤスコ <https://www.sports-nutritionist.jp/>
くるみキッチン <http://www.kurumikitchen.com/>
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