Go For It ! 藤枝MYFC 杉田 真彦 選手インタビュー
上手くなるために何をするか。どんな環境でも、まずは楽しむこと。
藤枝MYFC キャプテン MF #15 杉田 真彦 選手
私はサッカーエリートではありません。プロのサッカー選手になったのは25歳、当時J3の藤枝MYFCに移籍した時です。5歳でサッカーを始め、上手くなりたい、このチームで勝ちたい、その一心で続けた結果でした。
若杉幼稚園でサッカーを始めた時には、「将来はサッカー選手」と言っていました。小学生になり、長田西小のスポーツ少年団に入りましたが、同級生は4人だけ。「これじゃサッカーできない!」と友達を無理やり誘って、やっと10人になったんです。その頃は本当に「お山の大将」でしたから、ボールを持ったらドリブルしてシュート。超わがままなサッカーで、自分が点を取ることしか考えていませんでした。ある試合でPK戦になり、3人目で勝利したのですが、5番目に蹴ってヒーローになりたかった私は、悔しさから決めた同級生の女の子を泣かしてしまい、保護者から凄く叱られました。お恥ずかしい限りです。
4年生からトレセンに選ばれ、上手い子たちと練習する機会が増えましたが、スタートはCチームから。上手くなるために自分のプライドは捨て、他の選手の動きや練習を真似したり、できないことがあればコーチや友達に聞いたり、何でもやりました。1年ごと徐々に上がって最後はAチームに。一歩一歩階段を上がるのは、その後のサッカー人生と同じです。
私のチームは弱かったので、強豪チームの友達から「ウチに来いよ」と誘われ行く気満々でしたが、父親から「お前が誘っておいてありえないだろ」と叱られました。「確かに」とすぐに納得し、同じチームで6年間やって本当に良かったです。試合に負けて悔しい思いもしましたが、チームを強くしようと考え、自由にのびのびサッカーを楽しんだ時期でした。「友達を大切にする」気持ちは今も変わりません。当時の仲間は今も大切な友達です。
中学進学時もサッカー選手の夢は変わらず、エスパルスジュニアユースを受けるも落選。静岡学園からも誘われましたが丸子からは遠く、何度か教えてもらった監督がいるロプタ静岡に入団しました。弱小から強豪へ、周りは上手くて強くて大きな選手ばかり、背の低さは1~2番目。試合には出てもヒーローにはなれず、すっきりしない状況が続きました。そこから試行錯誤する中で気づいた長所が「裏に抜けるスピードと走力」でした。3年時には自信を持ってプレーできるように、出し手も上手かったので得点をあげるシーンも多くなりました。コーチからは今でも「飛びだし王子」と呼ばれ、今の自分のサッカーの土台になっています。清水エスパルスやジュビロ磐田のジュニアユースとも対戦し、中日本インターシティカップで全国優勝を経験。周りの凄さを知り、サッカー選手の夢に疑問を感じた時期でもありました。
高校は何校か誘いを受けましたが静岡西高を選びました。自分がどれだけ強くできるかの挑戦と家から近いのが一番。やっぱり地元が好きなんですね。それでも、チームを強くするのは簡単ではありませんでした。小学生の頃のように天狗になった時は、父親から「勘違いするな」と指摘され、我に返りました。今でも勘違いだけはしないように気をつけています。
私が本気でプロを目指し、最も成長できたのは大学時代ですが、小中高の12年間にどんな環境の下でも、上手くなるにはどうするか考え行動してきたことが、今につながっています。白紙の自分に色々挑戦して色を足していく、出来なかったことができるように、自分の得意が見つかる、サッカーが一番楽しい時期です。27歳になった今も新しい発見があります。いいプレーができるのはサッカーを楽しめている時、それは仕事になっても変わりません。昨年からキャプテンを任されていますが、若手が委縮せずに言いたいことが言える、みんながのびのびプレーできる環境、空気感を大事にしています。
今季の目標は、藤枝らしい超攻撃的サッカーで観客に感動してもらうこと。自分たちが思い切りサッカーを楽しめれば、自ずと結果がついてくると信じています。
藤枝MYFC キャプテン MF #15 杉田 真彦 選手
1995年生まれ。静岡市出身。5歳の時にサッカーを始め、長田西サッカースポーツ少年団に6年間、中学はロプタ静岡に所属。静岡西高を経て、一般入試で順天堂大学に進学しサッカー部へ。大学卒業の2018年、ソニー仙台FC(JFL)に加入。2019年は全試合に出場し11得点、JFLベストイレブン。2020年、藤枝MYFCに移籍し、小さい頃からの夢だったJリーガーに。裏への飛び出しと走力が武器のMF。2022年からキャプテンに任命され、リーグ27戦出場4得点と活躍し、J2昇格を果たす。2023年もキャプテンとしてチームを引っ張る。170㎝、67㎏、27歳。静岡市在住。
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