編集部員Hの「生涯サッカー小僧」#1
 百聞は一見に如かず。いや、百見は一体感に如かず。

Brazilian National Archives [Public domain], via Wikimedia Commons

我が家の息子は、スマホで海外サッカーのダイジェスト映像をよく見ている。時々プレーをまねて家の中でボールを蹴ったりもする。今の時代、ほぼリアルタイムで海外の一流選手のプレーが数多く見られ、しかも世界の誰かが無償で驚愕プレーのダイジェスト映像まで作ってくれる。サッカー少年にとってはいい時代になったと思う。

私が小中学生の頃は、外国のトッププロの試合を見る機会など皆無だった。当時横浜に住んでいた私にとって唯一の試合観戦の機会は、毎週土曜18時から放送していたサッカー番組「ダイヤモンドサッカー」。番組は確か45分間で、ドイツやイングランドの試合を2週に分け、前半戦と後半戦をそのまま放送していた。

Caio Brandão Costa and unknow [Public domain], via Wikimedia Commons

その番組も毎週楽しみにしていたと思うが、それ以上に熱狂したのは、年に一回12月に行われていた、欧州と南米のクラブチャンピオン同士が世界一を決める一戦「トヨタカップ」。今のFIFAクラブワールドカップだ。

サッカー少年だった私も、何回かその世界一が決まる試合を観に行った。
フラメンゴのジーコ、グレミオのレナト、ユベントスのプラティニなど目の前で繰り広げられるスーパースターの魅力的なプレーに興奮したものだ。特にプラティニの「幻のゴール」は、中学1年生だった私には強烈で、翌日から数日間はサッカー部の仲間と何度もまねたものだ。
今でも、そのプレーだけでなく競技場で感じた熱気や空気感までも体全体が憶えている。これまで様々な試合をテレビなど映像で観てきたが、ここまで鮮明に記憶に残っているシーンは少ないように思える。そう考えると、やっぱり会場に足を運び生のプレーを「体感」するのが一番。何十年経っても、私の頭の中の記憶だけでなく、心の中の記憶にも残っているのだから。

2020年、あらゆるスポーツの一流が日本に集まる。
久しぶりに何十年後まで私の心に残るようなプレーを「体感」したい。

Yoppi from Kawasaki, Kanagawa, Japan [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

[winbe]

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