創部初、日本選手権大会出場!先輩SHAKERSの思いを乗せて。
静岡北高等学校
チアリーディング部
県内高校ではここにしかない。アクロバティックな演技要素。
アメリカ発祥で150年の歴史を持つチアリーディング。同部が加盟する日本チアリーディング協会の大会では、アームモーション、組体操のようなスタンツ、ジャンプ、床運動に近いタンブリング、ダンス、5つの要素を演技に入れる。ダンス主体のチアダンスを行う部は県内の高校にもあるが、アクロバティックな演技に取り組むチームは静岡北高だけだ。中高一貫の同校には、中学から演技の場を求め入学する生徒、伊豆や天竜から通う子もいる。
元々は、野球の応援をダンスで盛り上げたいという生徒の声から始まった。応援委員から同好会を経て創部。大学で競技経験のあった初代顧問が、部員と共に礎を築いていった。現在部員は、中学生7名、高校生17名。現顧問の山口先生は「8人以上16人以下で出場する大会では、16人揃う方が演技の幅が広がる。やっとここまできた」と喜ぶ。
チームのモットーは素直さ(Be Obedient)、優しさ(Be Kind)、前向きに(Be Positive)、を意味する「3Be(スリービー)」。応援する側だからこそ、人から愛されるチームを目指している。野球部の応援はもちろん、学校行事にも欠かせない存在だ。地域貢献も積極的に行い、静岡まつりなどのイベントやTリーグ静岡ジェードの試合を部員たちが考えた演技で盛り上げる。周りを笑顔にするチア魂は、先輩から脈々と引き継がれてきた。
日本選手権大会準決勝の舞台を目指して。テーマは凡事徹底~チア魂~。
関東や関西に強豪がひしめく競技だが、昨年は関東チアリーディング選手権大会を見事に勝ち上がり、日本選手権大会への出場権を獲得。この舞台を夢見た先輩たちの思いを乗せ、一番難しい演技構成で挑み、ノーミスとはいかなかったが、自由演技では歴代トップの得点をあげた。全国の舞台を経験した部員が多く残る新チームが目指すのは、前回届かなかった準決勝の舞台。新キャプテンの小林由奈(2年)は「去年は緊張して納得いく演技ができなかった。次はもっと強い気持ちで挑む」と意気込む。
大会の演技構成を決めるのは山口先生だが、練習メニューを考えるのは生徒たち。「演技が始まれば指導者は何もできない。自分たちで判断し導くことが自信にもつながる」と選手主体を重視する。一つ間違えば怪我につながる練習に、部員全員が真剣に取り組んでいた。外からの刺激も彼女たちの意識を高める。伊豆の国市にある全国有数の小中学生チアリーディングクラブ「パワフルキッズ」や卒業生が進んだ大学との合同練習から学ぶことも多い。競技の魅力を「難しい技を、失敗を繰り返して成功した時の達成感」という小林。新チームは今年のテーマに「凡事徹底~チア魂~」を掲げた。当たり前のことを普段から積み上げ、最高の笑顔で、再び日本選手権大会の舞台を目指す。
キャプテン
小林 由奈(こばやし ゆうな)
KOBAYASHI Yuuna
麻機小学校出身。学校見学で見た先輩たちのダンスに魅せられ、中学から入部。高校生の先輩たちから演技や人間力を学び、悔しい背中も見てきた。演技ではスタンツの頂点、ハイトップを担う。高い所は苦手だが、体幹を鍛え、仲間を信頼し、不安を与えない、どんな時も笑顔を忘れない強いハートでチームをまとめる。
副キャプテン
山川 明歩(やまかわ あきほ)
YAMAKAWA Akiho
焼津中出身。学校体験で見たチアがやりたくて静岡北高に進学し、競技を始める。現在はスポット(持ち上げ役)とドベ(土台役)を担当。一度は16人のセレクションに落ちたこともあり、今はロンバク宙の精度アップに取り組む。「自分を信じて、仲間を信じて、もっと笑顔」を目標に、日本選手権大会出場を目指す。
副キャプテン
上井戸 佑菜(かみいど ゆな)
KAMIIDO Yuna
西奈南小学校時代からダンスを習い、中学1年から同部へ。昨年、日本選手権大会でチーム同士が応援し合い会場が一体となる雰囲気に感動。現在はトップを上げる送りを担当し、タンブリングの練習にも力を入れる。演技で大事な要素の掛け声を得意とし、大きな声で仲間に元気と勇気を与えるムードメーカー。
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