強みは波に乗った時の攻撃力。攻める気持ちを忘れずに、コンビで攻撃に厚みをつける。主体的に努力を重ね、目標は中部1位、県3位、そして東海総体出場!
静岡市立高等学校
男子バレーボール部
近年の最高成績は2014年インターハイ県ベスト4、県大会常連の静岡市立高校男子バレー部は、2年生11人、1年生16人、マネージャー4人、計31名の大所帯。そこには選手主体の自発的なチーム作りがあった。
チーム課題と対策の話し合い。部員主導で重ねる経験を大切に。
2022年のインターハイは県大会初戦敗退。6月にスタートした総勢31人の新チームは、夏休み前に、自分たちの強み、課題、やるべきことを部員全員で話し合った。ホワイトボードをみんなの意見が埋め尽くす。強豪チームとの遠征試合に向け、「ミスを恐れず攻める気持ちを大切に」挑むことを共有した。9月の中部選手権で6位に終わった後には「自分の課題を持つ。声を出す」を掲げた。エースで部長の石井日陽(2年)は「学年関係なく、フランクに話し合えるのが強み」と話す。主力は2年生4人、1年生3人と各学年が融合したチームだ。部員数が多く、全員が試合に出られるわけではない。高校から始めた部員もいる。顧問9年目の平岡監督は「自分の何を磨き、どうチームに貢献するか、全員が考え、実行することが大事」と全員バレーを重視する。強制はしない、あくまで自発的な目標設定と行動が、本人の将来に生きてくるからだ。練習は、月曜の専門トレーナーによる指導(1時間)を含めほぼ毎日あるが、文武両道の同校では学業も疎かにはしない。テスト前の休みを活かし、そこも自己管理。主要メンバーであるリベロの渕上ショーマ(2年)と石井は、理系の特進クラスだ。毎月同校の体育館で開催する「小学生バレー教室」は部員主導で運営する。バレーを知らない子どもたちに、どう楽しさを伝えるか?これも様々な気づきを生む成長の場だ。「バレーだけでなく、広い視野、感謝の気持ちを常に持ってほしい」と平岡監督。3年間の部活動で得るものは大きい。
絶対的エースとコンビバレー。選択肢を増やし、強豪に勝つ!
チームの中心は、絶対的エースの石井、守りの要の渕上、長身セッターでゲームをコントロールし「波に乗った時の攻撃力は凄いチーム」というキャプテンの小泉陽(2年)の3人だ。1、2年生で挑んだ10月の春高バレー県大会は、選手一人一人の目指す形が出来始めてきたが、初戦で浜松工業に敗れた。「上げれば石井が決めてくれる。エースに頼り過ぎていた」と小泉。バレーは一人では勝てないと、コンビで相手を崩す選択肢を増やし、攻撃に厚みをつける練習を増やしている。流れが悪い時こそ声を出せるよう、練習から声出しを徹底する。1月の新人戦は中部4位、県ベスト8が目標だ。自分たちで改善点を見出し、主体的に努力できるチームだから、まだまだ成長の余地がある。最後の大会になるであろう夏のインターハイで、中部1位、県3位まで登り詰め、東海総体出場を目指す。中部には大きな壁となる清水桜が丘高校がいるが、ミスを恐れず攻める気持ちを持って、自分たちの強みを最大限に発揮できれば敵わぬ相手ではない。部員一人一人が、自分の役割を全うできた時、新しい景色が見えてくる。
部長 レフトアタッカー #4
石井 日陽(いしい ひなた)
ISHII Hinata
高松中学出身。中学からバレーを始めたが、なかなか試合に勝てず、強い高校でバレーをやろうと同校へ進学。同部では特に精神面を磨き、緊張する場面でも決めきる絶対的エースに成長した。身長182㎝。新人戦、インターハイに向け、「エースの覚悟を持って」と意気込む。
キャプテン セッター #7
小泉 陽(こいずみ よう)
KOIZUMI Yo
城内中学出身。バレーを始めた中学からセッターを務め、180㎝の長身を生かしたネット際の強さやツーアタックを持ち味に、トス、アタック、サーブにも秀でたマルチプレーヤー。憧れの市高バレー部で更に腕を磨きながら、ゲームキャプテンとしてチームを盛り上げる。
リベロ #13
渕上 ショーマ(ふちがみ しょーま)
FUCHIGAMI Shoma
清水第四中学出身。小2からバレーを始め、兄が進学した文武両道の同校でバレーも勉強も頑張ろうと決意。どんなボールにも食らいつく粘り、豊富な試合経験で身につけた冷静な判断力でチームを支える絶対的守護神。声出しがチーム一番のムードメーカーでもある。