10月のウィンターカップ県ベスト16。頭を使い、走り負けない!「感覚に頼らない、プレー一つ一つの意味を考えて動く、頭を使ったバスケ」を目指して頑張る、文武両道の少数精鋭チーム。

静岡県立清水東高等学校
女子バスケットボール部

10月のウィンターカップ県予選、3年生抜きで県ベスト16に進出した清水東高校女子バスケ部。近年は県ベスト32が最高だったが、2年生6人、1年生3人のチームが全員バスケでその壁を破った。

短時間集中練習で勉強と両立。磨いたモーションオフェンス。

「清水東女子バスケ部は、昔から少人数で切磋琢磨してきたチームです」。顧問1年目の望野先生も同部のOGだ。部員は、勉強もバスケも頑張りたいという経験者が多い。練習は平日2時間(火曜休み)、週末3時間に抑えた効率的メニューで学業と両立する。卒業生には、東北大や名古屋大などの国公立大や有名私立大学、中には浜松医大に進学した部員もいる。昨年4月からは、同校男子バスケ部OBで静岡大学3年の望月皓雅さんがコーチを務め、選手たちを指導。目指すのは「感覚に頼らない、プレー一つ一つの意味を考えて動く、頭を使ったバスケ」だ。5人全員がボールと人の動きを見てスクリーンやカットを使い、ポジションチェンジしながら攻める「モーションオフェンス」を磨いている。また、少ない人数で戦うにはスタミナも必要だ。一人当たりの練習密度が濃く、短時間に集中することで、コートで走り負けない体力もつけてきた。「練習の初めには今日の目標を確認し、終わった後は改善点を話し合います」と坪井菜々子(2年)キャプテン。選手たちが主体的に強くなろうと頭を使う。そこが、文武両道が基本の短い練習時間、少ない部員数でも勝てる、一番の理由かもしれない。

バスケIQが高い選手たち。1対1に強く、全員が得点源。

「今年のメンバーは個々のバスケIQが高い」と言う副顧問の海野先生は「同部に8年関わってきた中で最もバランスの良いチーム」と太鼓判を押す。選手は全員がバスケ経験者。チームの中心は、キャプテンでフォワードの坪井、センターの木村実子(2年)、ガードの市川日夏乃(1年・清水七中出身)の3人だが、5人全員が1対1に強く、1試合15~20点を得点できる力がある。「少ない人数で練習の強度を互いに高め合ってきた」と木村。特に決められたポジションはなく、相手を見ながら全員が頭を使い、連動し、攻撃し、守る。互いが信頼関係で結ばれ、自分たちが目指すバスケで勝利するのは、この上ない喜びだろう。直近の目標は新人戦県大会進出。「ここぞ!という時に決めるのは坪井と木村」と信頼される二人にとっては夏のインターハイが高校最後の大会だ。県大会に進めなかった昨年の悔しさを胸に、今年は県大会での一勝を目指す。心配なのは、今度の1年生が多く入部しないと、後輩たちが強度の高い練習をできないこと。「最低でも4対4ができるよう、5人は入ってほしい」と願う。大丈夫、これまでも数々ピンチを乗り越え存続してきた。きっと、コートで輝く先輩たちの姿を見て、後に続く者が入ってくるだろう。試合に出られるチャンスが多いのも同部の魅力だ。頑張れ、清水東女子バスケ部。


キャプテン兼部長 フォワード #7
坪井 菜々子(つぼい ななこ)
TSUBOI Nanako

清水南中学出身。バスケは小2から。相手に合わせた柔軟なプレーを得意とする点取り屋。キャプテン兼部長として、学年の壁を越えて何でも言い合える一体感を大事に、チームをまとめる。個人では「攻撃的ディフェンスでチームに流れを呼び込むことができる選手」を目指し、少数精鋭のチームを勝利に導く。(写真左)


センター #21
木村 実子(きむら みこ)
KIMURA Miko

安東中学出身。小1からバスケを始め、中学時代はガード。バスケも勉強も頑張ろうと同校へ。リバウンドを得意とし、得点力が高く、ボールも運べるセンターとして1年からレギュラー。「バスケは高校まで。バスケ人生の最後を悔いなく終わりたい」とインターハイ県大会進出、大舞台での一勝に燃える。(写真右)


おすすめの記事

関連記事