【夢追人】全日本ジュニア障害馬術全国2位。馬術界のスーパー中学生。
静岡聖光学院中学校1年 静岡乗馬クラブ所属
浅川 駿萬(あさかわ しゅんま)選手
今年9月に開催された全日本ジュニア障害馬術大会チルドレンライダー競技で全国2位になった浅川駿萬君は現在13歳。2012年ロンドンパラリンピック馬術競技に出場した祖父の信正さんが営む静岡乗馬クラブで、産まれた時から馬と共に育った。首が座り始めた頃には国体出場歴を持つ母の牧子さんと一緒に馬に乗り始めたという。まさにサラブレッドだ。幼稚園年中で競技デビュー、小学2年から障害競技を本格的に始めた。毎朝5時に起床し、2頭に乗ってから小学校へ行くのが日課だった。普通に馬から落ちることもあるが、恐いと思ったことは一度もない。「競技を始めたばかりの頃は訳も分からず、ただ負けるのは悔しかった。
今は馬と一緒に勝ち上がっていくのが楽しい」と駿萬君。10歳で最年少出場を果たした全日本ジュニアへの4回目の挑戦で、楽しく行こうとリラックスできた結果、経験豊富な高校生もいる中、見事準優勝を勝ち取った。
目標は全日本ジュニア三冠。乗馬をずっと続けたい。
馬術競技には障害と馬場の2種目があり、11月の全日本馬場馬術にも出場する。今の目標は、全日本ジュニア(10~22歳対象)のチルドレン、ジュニア、ヤング、全部で1位になること。中学3年になる再来年には親子三代での国体出場を目指す。現在は静岡聖光学院中学で寮生活を送るため、馬に乗るのは週末のみ。2日間みっちり馬と過ごす。乗馬クラブから練習場のある安倍川河川敷まで馬を引く姿、大きなサラブレッドにまたがり、自在に操る手綱捌きからは、12歳とは思えぬ風格さえ感じた。
馬の魅力は「顔が可愛いところ」という駿萬君に将来の夢を尋ねた。「今は3つあるんです。天文学者、獣医、あとマイクロソフト社の社員。乗馬はずっと続けます」。クラブを支えるために、マイクロソフト社の年収が魅力らしい。クラブにいる17頭の馬たちは家族同然。クラブ存続が一番の願いなのかもしれない。静岡のスーパー中学生が、馬術界の最年少記録を塗り替え、馬術の楽しさ、魅力を広めていくことを期待したい。