良薬を見きわめて
子供のために大人が知っておくべきこと
良薬を見きわめて
アスリートは、ケガや体調の維持・管理と格闘する毎日です。痛みや辛さを和らげるため、よい体調を保つため、時には薬も必要です。「よく効く痛み止めを」「早く治したいのでカゼ薬を」、そんな思いも理解できます。でも、口に入れる前に、必ず自分に問いかけてください、本当に必要?本当に大丈夫?
とりあえず市販薬?
古くからあって、劇的な効果はないけれども大きな危険もない、ということで医師の処方が不要なのです。個人の状態に合わせ切れないので、総合とか鼻かぜ用/せき用などとまとめられているわけです。
ひきはじめに飲めば早く治る?
多くはカゼの症状を和らげる効果ですので、早く飲み始めても病気の期間は短縮できません。飲んだ安心感はあるかも知れませんけれども。
よく効く痛み止め/熱さまし?
効果は高いけれども、インフルエンザなどでこどもが使うと重症化の危険性を高める解熱鎮痛薬もあります。
念のため抗生物質?
原因のバイ菌を退治できて病気が治ることもありますが、同時に体調や免疫力に関わる大切な腸内細菌などの善玉菌もやっつけられてしまいます。そしてなかなか元には戻りません。抗生物質不要で自然に治るウイルスが原因のカゼならば、むやみな服薬で大きな代償を払うことになります。
アスリートにとってはドーピングの問題とも絡みます。とりあえず、念のため、という誘惑には乗らないように。
薬とは、“病気を治療する草“が元々です。昔は植物が主な原料でした。「良薬は口に苦し」と、早く治して楽になるよう煎じて飲んだわけですが、現代のアスリートが “苦い“思いだけをすることがないようにと祈ります。
文・田中敏博
<プロフィール>
田中敏博。静岡市葵区出身。小児科医。 静岡厚生病院小児科、勤務。 小学校から現在までバスケットボールを続ける。 (公財)日本スポーツ協会公認スポーツドクター。(一社)静岡県バスケットボール協会理事 兼、スポーツ医科学委員会委員長。
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