「全国中学生長身選手発掘育成合宿」参加者30人の中で最も高い197cmの塩谷澪央選手。バレーを始めてまだ2年、夢は「日本代表のミドルブロッカー」。

静岡市立長田南中学校3年
男子バレーボール部
塩谷 澪央(しおや れお)選手

将来、日本の男子バレーを担うかもしれない逸材が静岡にいる。長田南中バレー部の塩谷澪央選手だ。今年2月に行われた「全国中学生長身選手発掘育成合宿」に参加した塩谷君の身長は日本全国から選抜された30人の中で最も高い197cm。バレーを始めてまだ2年だが、大きな可能性を秘めている。体は小さい頃から大きかったが太っており、運動は大の苦手だった。中学では運動部に入るよう母親に言われ選んだのが、姉と兄がやっていたバレーボール。中1で身長187cm、体重は100kg近くあった。最初はサーブを打ってもネットに届かず、走れば他の部員の倍以上遅い。「あの頃は向上心もなく、バレーが楽しくなかった」と塩谷君。それでも顧問の望月先生は「君は静岡の宝、日本の宝。焦らずバレーを続けてほしい」と伝え、温かく見守った。

中学2年で湧き出た向上心。体と気持ちが1年間で激変。

変化が起きたのは中2の夏。初めて出た公式戦でブロックを1本決め、バレーの楽しさを知った。最上級生になり試合に出る機会が増えると、同学年の上手い選手、特に籠上中のエース大内君のプレーを見て、「自分も上手くなりたい」と向上心に火がついた。食事を見直し、早朝ランニング、筋トレ、風呂上がりのストレッチを続けると、体重が20㎏減り動ける体になった。合宿や、桜が丘高バレー部だった兄の先輩の山田大貴選手がいる早稲田大学の試合で見た伊藤吏玖選手も大きな刺激になり、夢は「日本代表のミドルブロッカー」まで膨らんだ。春には日本代表U-16の一次選考をクリアしたが、12人には残れなかった。中体連は県大会に進めず、自分の力不足を痛感した。それでも目標はぶれない。12月には静岡県代表選手としてJOCジュニアオリンピックカップに挑む。県中部から選ばれたのは塩谷君と大内君の2人だけ。「一緒にプレーできるのは凄く嬉しい。足を引っ張らないように頑張る」と体の更なる強化に加え、基本技術の習得に励む塩谷君。夢は人を変える。彼のバレー人生は始まったばかりだ。

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