2023年1月の新人戦にて、創部初の県大会出場を果たした、駿河総合高校 男子バレーボール部。 「もっと強くもっと上手く」 3年生を中心に、選手主体の向上心と研究心で試行錯誤を繰り返す毎日。

静岡県立駿河総合高等学校
男子バレーボール部

部活動が盛んな駿河総合高校において、元々は同好会から始まった男子バレーボール部が、1月の新人戦で6位に入り、創部初の県大会出場を決めた。そこには選手たちが自ら挑戦を繰り返す、あくなき向上心があった。

3年生6人を中心に切磋琢磨。試行錯誤を繰り返す毎日。

部員は3年生6人、2年生6人、マネージャー4人の全16名。裁量枠はなく、中学で名をはせた選手はいない。高校からバレーを始めた選手もいる。創部以来、大会では初戦敗退がほとんどだ。昨年、新チームで挑んだ春高バレー予選も一回戦で静岡高校に敗れた。それでも、最上級生となった6人は相談しながら、強く上手くなるための試行錯誤を繰り返した。部長の酒井亘輝(3年)は「スパイクの打ち方、ブロックの跳び方、戦術も自分たちで考え、主体性を持って一丸となり前に進めるチーム」と胸を張る。練習や練習試合で試し、良ければ公式戦で使った。全22チームによる新人戦中部地区予選初戦で静岡学園に2対1で勝利。県大会出場を決め、準々決勝は優勝した静清高校に敗れたが、5位決定戦の初戦では静岡北高校に逆転勝利。最終セットは28対26の激戦だった。次戦は静岡市立高校に逆転負け。県大会初戦では飛龍高校に第2セットを逆転され0対2で敗れた。「勝てる試合だった。試合後半の集中力が課題」と副部長の宗野伊吹(3年)。勝ちも負けも経験することで、20点を超えてからのマインド、勝ち切る難しさを学んだ。飛龍に勝てば春高バレー県優勝の聖隷クリストファーとの対戦が待っていた。酒井と宗野は「やりたかった」と声を揃えた。

全員で守り、攻撃につなげる。目標はインターハイ県大会出場。

決して恵まれた環境ではない。取材当日の練習場は小学校の体育館だった。まずは準備運動をみっちり行うが、その内容は周りからのアドバイスや他校の練習を参考に、選手たちが自ら取り入れたものも多い。顧問6年目の高田先生は「上達するためにどうすればいいか常に考え、練習熱心なところがチーム最大の強み」と話す。リベロの酒井を中心に、全員で守って攻撃につなげる「守り勝つ」チームだ。得点源は高木力(3年)。中学時代はサッカー部に所属し、3年の途中からクラブでバレーを始めた競技歴2年半の選手だ。酒井も宗野も「困ったときは高木」と信頼を寄せる。
昨年のインターハイ予選は、コロナ感染により出場辞退だった。今年は県大会出場を目指す。選手たちのあくなき向上心と研究心、物おじせずに挑戦を繰り返す実行力、その根底に流れるのは「バレーが好き」という純粋な気持ち。「みんなで意見を出し合い、自分たちを高めていくのはワクワクして楽しい」という彼らの言葉には更なる可能性を感じる。環境は自分たちで作るもの、本気で真剣に取り組めば何かが変わることを教えてくれるチームだ。


部長 リベロ
酒井 亘輝(さかい こうき)
SAKAI Koki


西奈中学出身。バレーは小学5年生から。中学2年からリベロでレギュラー出場し、レシーブ力を磨いてきた。高校でもリベロ一筋。力強く冷静な言動で精神的柱となり、率先して練習に取り組む熱心な姿勢が仲間を鼓舞する。言葉と背中でチームを引っ張る、頼もしいリーダー。


副部長 セッター
宗野 伊吹(そうの いぶき)
SOUNO Ibuki


大里中学出身。中学からバレーを始め、リベロを経てセッターに。高校でバレーを続ける予定はなかったが中学の先輩に誘われ入部。相手をよく見てブロックをかわし、繊細なトスワークで試合を組み立てる司令塔。チーム課題の集中力を克服し、高校総体県大会出場に意欲を燃やす。


アタッカー
高木 力(たかぎ りき)
TAKAGI Riki


静岡南中学出身。小・中学はサッカー。中1から友達と遊びで始めたバレーを中3秋から地元クラブで本格始動。一度止められても「次は絶対決める!」という負けず嫌いでエースに成長。身長180㎝でブロックをかわすアタックを得意とし、1セット8得点以上を目標にチームを勝利に導く。

 

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