#挑戦 #可能性 #進化 #雑草 #家族のように #42㎞ウォーク #駅伝 #競歩、部活動を通じて様々な挑戦を重ね、多くを学び、気づきを得た、部員が部について語った。
静岡県立静岡商業高等学校
陸上競技部
かつて、これほど自分の部を熱く語る生徒たちがいただろうか。静岡商業高校陸上部は強豪ではなく、人数も決して多くない。それでも部活動を通じて様々な挑戦を重ね、多くを学び、気づきを得た、部員5人に話を聞いた。
やればできる。もっとできる。3年生10人全員が進路第一志望合格。
「静商陸上部で学んだこと」の問いに3年生3人は「挑戦することの大切さ」と声を揃えた。毎年12月「日本一のチームになろう」と、静岡駅から富士宮の浅間大社まで全員で10時間近く歩く「42㎞ウォーク」はその最たるものだ。前部長の弥田晴音は「最初は無理だと思ったが、みんなと一緒だからできた。やればできる!を実感した」と振り返る。昨年は全員県大会出場を目標に、舞台となるエコパまでの52㎞ウォークを敢行し、3年生は県大会出場率100%を達成した。色々な種目に挑戦するのも同部の特徴だ。短距離選手だった根岸幸加は、高校から競歩、800m、マイルリレー、駅伝に出場し、5000m競歩で東海大会に進出した。
練習は部員主導で行う。部長、副部長の話に始まり、最後は部員の代表が締める。挑戦する競技は部員同士で教え合う。昨年のチーム目標は「血の通った家族のようなチーム」だった。昨夏、公務員志望の根岸はダブルスクールで部活に出れず、陸上でも結果を出そうと自宅練習していると、先生と同級生が付き合ってくれた。「勉強も部活も、もっとできると頑張れたのはみんなのおかげ」と感謝する。顧問の杉山先生が重視するのは学校生活での振る舞い、人としての成長だ。部活専用Tシャツをあえて作らないのは、「部や学校の名前を背負っていなくても、しっかりできる人に」の思いが込められている。前駅伝キャプテンの仁科日花は、「入部当初はダラダラ、キャプテンから一番遠い存在だった私が、みんなからいい刺激をもらい、ここまで成長できた」と目を輝かせる。3年生10人は全員第一志望合格を目指し、全員が達成した。今春から、弥田は大学の看護科、根岸は警察官、仁科は美容専門学校へと進む。
競歩種目5年連続東海大会出場。先輩から後輩へ受け継ぐ技と思い。
チーム目標は、先輩の思いを引き継ぎつつ毎年変わる。今年は「人の心を動かせるチーム」だ。「部員一人一人の練習や勉強を頑張る姿で、見ている人に勇気や感動を与えたい」と部長の鳴海伊吹(2年)。全員県大会出場を果たせなかった新人戦のリベンジを誓い、春の総体予選に挑む。目標を「雑草のように強く」から「雑草よりも強く」に進化させた駅伝チームは昨年、男女揃って県高校駅伝に出場し、最後まで襷をつないだ。踏んでも抜いてもまた生えてくる、粘り強さを雑草の言葉に込めた。同部では全員が競歩に必ず一度は挑戦する。競歩の技術や思いは先輩から後輩へと受け継がれ、5年連続東海大会出場を果たしている。高校から陸上を始めた繁田尊也(2年)は「競歩は高校から始める人が多く、誰にでもチャンスがある。自分がもっと活躍して、静商から競歩を盛り上げていきたい」と熱く語った。部の様子を綴る公式インスタグラムは圧巻だ。多種多様な活動と内容の濃さに驚く。先生と生徒が投稿した写真と言葉に、充実した高校生活が詰まっている。学びの量と質は、日本一のチームかもしれない。
部長
鳴海 伊吹(なるみ いぶき)
NARUMI Ibuki
服織中出身。中学から陸上を始め、長距離選手だったが、高校から800mをメインに、3000m障害にも挑戦。部長として「全員県大会出場」を掲げるチームを引っ張りながら、昨年の総体予選では県にあと一歩だった800mで県大会決勝進出を目指す。同部の魅力は「種目や学年間の壁がないワンチーム」と語る。
5000m競歩
繁田 尊也(しげた たかや)
SHIGETA Takaya
服織中出身。中学はサッカー部。高校では、個人で県大会、東海大会を目指せる競技に挑戦し、人生のプラスにしたいと陸上部へ。「人数が少なく、色々な種目に挑戦できるのが魅力」と400m、800m、1500m、5000m、競歩、駅伝に出場。昨年新人戦5000m競歩で東海大会12位。今年は高校総体全国出場を目指す。
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