県内に13店舗を展開する自動車ディーラー「株式会社HoQホールディングス」が、競技活動をしながら企業で働くことができる「アスリート採用」をスタートした。その内容と背景にあるものとは？代表取締役社長の宮﨑貴久氏とHoQアスリートクラブディレクターの酒井サム氏に話を聞いた。

2022/05/12 つなぐ ,元気企業,コラムリクルート

地道な努力が実を結ぶ。
アスリートが持つ底力を。

積み上げたものの先にある結果。
アスリートのやり抜く力に期待。

私どもが、アスリート採用を積極的に行う理由は、競技で培った集中力、ひたむきさが、将来必ず会社のためになると信じているからです。例えば、自動車の営業は、毎日の小さな事の積み重ねが、新車購入につながります。顧客先を回り、きめ細かなアフターサービスや買い替えのご案内をするなど、コミュニケーションを重ねていくことがとても大事です。私自身もトライアスロンのレースに出場しており、トレーニングを続けていますが、その中で感じるのは、「積み上げたものの先にしか結果はでない」ということ。これはどんな競技にも通じるものであり、「営業」も全く同じことなのです。幼い頃から、競技に打ち込んできた学生であれば、地道な努力が実を結ぶ世界でやり抜けるだろうと信じています。
入社後は、競技に比重を置きながら仕事をしていただき、競技を一線から退いた後に3年ほどで、一般採用枠の社員と変わらない働きができると思います。目標に向けてやり抜く力のあるアスリートを応援し、採用することは、長い目で見れば、会社にとっても意味のある採用方法なのです。

対象は個人競技。マイナー競技もOK。
出勤日の調整や遠征費の支援など。

当社のアスリート採用は、高校卒業後も競技活動を続け、社会生活を両立させたいアスリートを応援する採用枠です。競技を引退した後も、企業に残りスムーズなキャリア形成ができるので、将来への不安なく競技に集中することができます。戦績によりサポート内容は変わりますが、トレーニングウェアーや競技ユニフォームのサポート、大会参加費、国内・海外遠征費、強化費の支給、出勤日の調整など、競技を続けるためのサポートを行います。サポートの対象となる競技は、個人競技であること以外には特に制限はありません。マイナーなスポーツでも構いません。学生からの積極的なアプローチを待っています。

アスリートの夢を支える
強靭な黒字体制。

私たちは、経営理念に「全従業員の物心両面の幸せの実現」を掲げてから、様々な判断基準を見直し、働き方、取り扱いブランドの再編などを続けてきました。それからは急激に離職率が下がり、業績もアップ。全社に心身の余裕が生まれ、笑顔や会話が増えました。強靭な企業体制で、黒字経営を安定的に続けているため、即戦力になり得ないと思われるアスリート採用も実施できるようになりました。社員の心に余裕があるので、肩身の狭い思いをせずに、会社に在籍しながら競技を続けられると思います。

アスリートを受け入れる、
アットホームな社風。

当社の特徴として、細かな肩書を設けず、役職が少ないシンプルな体制があります。そのため、上長と一般職の心的距離が近く、私も、メカニックから事務職まで、全ての社員の名前、出身地、趣味などを把握しています。それは、みんなに関心を持っているからです。その社風が全社に浸透しており、「社員を放っておかない。面倒見がいい」というアットホームな雰囲気が、自然と備わっています。親子や親類など、親族が揃って勤務しているというケースも多く見られ、「家族を安心して働かせられる会社」と思ってくれているのだと自負しています。この社風は、競技に打ち込みながら、前向きな姿勢で業務に取り組む人に適した、温かい環境です。

HoQアスリートクラブディレクター
酒井サム

「好きな競技と仕事の両立を可能に」
私は高校時代に陸上競技をやっており、とにかく競技が大好きでした。高校卒業後に就職した会社には女子陸上部があり、業務の傍ら、コーチとして夏の合宿に参加するなどの機会を得られましたが、一般勤務の私が、業務を離れて陸上部に同行することは、現場に迷惑が掛かることでした。その経験から、好きな競技を続けながら、仕事も続けられるサポート体制ができないかと宮﨑社長に提案したのです。この採用基準を利用して入社した学生にとって、自己実現を目指しながら、この会社に在籍することが、会社にとって様々な面で相乗効果を生み、アスリート自身や周囲の幸せにつながると信じています。

トライアスリートのライフスタイルコミュニティー「Samemiendurance」を主宰し、パーソナルコーチングの他、オリジナルデザインのアパレルなどを手がけている。目標とするKONA（アイアンマン世界選手権）への出場歴は11回を数え、自己最高位は53位（1998年）。1969年、千葉県生まれ。