静岡大学インターンシップ

2021年夏、約ひと月に渡ってジュニアアスリート静岡の編集部で、静岡大学3年生の漆畑さんと山地さんが、インターンシップとして研修を行いました。ふたりは静岡大学地域創造学環のスポーツプロモーションコースの学生。雑誌編集の経験は初めてにも関わらず編集部の一員として、ブレストから企画、アポどり、取材、撮影、デザインと大活躍してくれました。本誌最新9月号ではそのふたりが企画〜編集した記事を「地域活性化座談会 つなぐ静岡」と題して4ページに渡る特集ページとしてご紹介しております。漆畑さんの母校である清水東高校バスケ部の高校生と「部活」「バスケ」「進路」「静岡」という4つのテーマで大学生と高校生が意見交換を実施。高校卒業後の県外流出が多い静岡なので、それも含め地域活性化の次世代の担い手である高校生と、地域創造貢献を目指す大学生たちの興味深い対談となりました。ぜひ最新9月号をお手にとってご覧ください。

 


静岡大学 地域創造学環
スポーツプロモーションコース

漆畑奈々花

私とバスケットボール

私が初めてバスケットボールを触ったのは、小学2年生の春だった。身長が周りよりも高かったことで、隣の小学校のミニバスケットボールチームに勧められた。小学校が違う子たちの中に混ざる不安はあったが、覚悟を決めて入部することにした。低学年のうちは練習についていけたが、学年が上がるにつれ、長くて苦しい練習や厳しい指導に耐えられなくなってきた。練習に行きたくなくて車から出られなかったり、持久力が無く練習中や試合中に過呼吸になったりすることもあった。幼い頃の私は、プレー中にミスをしたら、なぜ怒られなければならないのか分からなくて、悔しい気持ちと悲しい気持ちでよく泣いていた。そのような日々が続き練習に行けなくなり、小学4年生の時、ついにチームを辞めてしまった。時間が出来た私は、バスケとは離れた生活をしていた。休んでいた1年間、心のどこかに最後までやり切れなかったモヤモヤした気持ちが残っていた。戻っても、また同じことの繰り返しだったらどうしようという不安と、ここで逃げたら変われないという焦りで葛藤していた。辞めてから1年ほど経ったある日、自宅に1通の手紙が届いた。チームメイトからの寄せがきだった。「戻ってきてね」「また一緒にバスケしよう」と書かれていた。チームを去った身の自分に、戻る居場所があるということは、私にとって驚きだった。これに背中を押されて、私はもう一度チームに戻る決断をした。戻ってからは、辞める前とは異なり、バスケの楽しさを感じられるようになった。プレーが成功したり、チームが勝ったりすることに嬉しさや達成感を感じた。6年生になると市大会で優勝したり、市の選抜チームに選ばれたりという経験ができた。両親がほめてくれて応援してくれる、助けてくれる大人がいる、一緒に頑張る仲間がいるという環境は本当に幸せだったと今になって感じる。幼い頃にスポーツを通じて笑ったり泣いたりできた時間は私にとって大きな財産であり、これからもずっと大事にしたい宝物である。

~インターンシップを終えて~

掲載する企画の考案、アポどり、段取り、取材、原稿作成 、ラフ起こし、校正など、一つの記事を作る全行程を経験させていただきました。見やすくて楽しいページを作るにはどうしたら良いのかということを、どの工程でも意識しなければならないということを感じました。今回私たちが携わったことによって、少しでもジュニアアスリートの皆さんの力になれていればなと思います!


静岡大学 地域創造学環
スポーツプロモーションコース

山地菜月

2020東京オリンピックを通して

初めて東京に聖火が灯された日から57年、様々な思いを乗せた炎は、満を持してこの地に帰ってきた。新型コロナウイルスが猛威を振るい続ける中での開催となった2020東京オリンピック。史上初の1年延期、初の無観客開催と、まさに異例の開催となった今大会は、暗雲が立ちこめる中で開幕されたようにも見えた。しかし、アスリート達はそれすらも吹き飛ばすような躍進を見せ、日本中を沸き立たせている。日本のお家芸である柔道では、過去最多の9個のメダルを獲得、今大会からの新種目、卓球男女ダブルスでは、水谷選手・伊藤選手が強敵の中国ペアに逆転勝ちし、金メダルに輝いた。
無観客開催となり、スポーツの醍醐味ともいえる選手と会場の一体感であったり、湧き上がる大歓声だったりが何もない中での大会は、一見淡々と進んでいるようにも見える。ふとしたときに、あの会場で応援して、選手の熱気を間近に感じられていたのかもしれないと思うこともあるし、勝利した瞬間の高揚感を目の前で味わいたかったと思うこともある。しかし、私は、無観客だからこそ感じられるもの、無観客だから見られた光景があると感じている。試合中の選手の声や息遣い、コーチの指示、スパイクがタータンを蹴る音、しぶきを上げる水の音。こんなに鮮明に聞こえたことがあっただろうか。緊張感に包まれた静寂も、人目なんて気にせず結果を噛み締めている表情も、今までも確かにあったはずなのに、全てがこんなに新鮮に思えた。これまで歓声埋もれていたそれらは、まるで会場にいるかのような臨場感、選手のこの舞台にかける思いを伝えてくれる。これはきっと無観客でなければできなかったことだと思う。
「Faster,Higher,Stronger,Together」。開会式で掲げられたオリンピックのスローガンだ。私たちは、画面を通して、誰よりも速くゴールを目指し走る姿、1球に、1点に思いを乗せ、高く舞う姿、プレッシャーの中でも戦い抜く強い姿を、目に焼き付けている。異例の開催ではあるが、掲げられたこのスローガンのように、選手と一体となって、今大会のレガシーを作っていくことが求められるのではないか。

~インターンシップを終えて~

今回発案した「つなぐ静岡」というテーマには、静岡をスポーツの力で盛り上げたい、次世代を担う若者の交流を広げたい、という思いが込められています。高校生と大学生は、近いようで実は遠い存在にあります。しかし、地域をより良くするためには、若者同士が手を取り合っていく必要があります。今回行った企画をきっかけにして、若者同士の交流が広がり、静岡を盛り上げるための一助になればと思います。今回の記事を楽しんでもらえたら嬉しいです。


企画提案書

完成誌面

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