静岡市立安東中学校 野球部

強い気持ちと粘る野球で、中体連全国出場を目指す。

昨秋の新人戦は静岡市内で優勝し、そのポテンシャルに期待の高まる安東中野球部。4月から就任した若き新監督梅沢先生に、今のチームの現状と課題を聞いた。

 

バッテリーを中心に高い潜在能力と吸収力

安東地区は学童野球やソフトボールが盛んで、3年生12人、2年生8人、部員は皆経験者だ。1年生10人が入ると30人の単独チームになる。チームを引っ張るのは、キャプテンでキャッチャーの岡田君と主戦望月君のバッテリー。投手は先発もできる成嶋君との2枚看板で、3年生を中心にまとまったチームだ。昨年秋の新人戦では準決勝で竜爪・西奈中(今春のセンバツで全国3位)に勝利し、静岡地区で優勝した。「見始めたばかりですが、ポテンシャルが高い選手が多いです。まだ粗削りな部分も多いですが、教えたことを素直に吸収できる子たちなので、これからまだまだ伸びますよ」と梅沢監督。今年の4月先生になったばかりの若干22歳だが、大学まで野球を続けたバリバリの野球人。その熱意と知識は新人監督とは思えない確かなものを感じた。

勝ちきることの難しさ自分達に何が足りないのか

好スタートを切った新チームだが、春に入ると全軟静岡地区予選の準決勝で南中に2-1で逆転負け。しんきんカップでは、初戦の浜松丸塚に5-0で敗れた。いずれの試合も序盤はいい戦いをしながら後半崩れる展開だった。強いチームとの差は何か?自分達に足りないものを考える転機になった。監督就任後のチームテーマは、当たり前のことを当たり前にできる、粘り強い野球だ。確実にバントを決める。エンドランは転がす。打撃では初球から簡単にフライを上げない。0-0で相手に点をやらない。自分に厳しく、練習から絶対に決めるんだという強い気持ちで取り組み、メンタルを強化する。「あの悔しさを晴らすことが今の練習で出来るのか!」。負けたくなければ自ずと答えは見えてくると梅沢監督。安東中の目指す野球が徐々に選手たちに浸透し始めている。

「野球が好き」が大前提、練習は絶対に裏切らない

昨年の10月から外部コーチとして指導にあたる宮本さんにも話を聞いた。「まずは野球が好きである事が大前提です。急には上手くならないし、コツコツ努力するしかありません。グラウンドに一歩入ったら目的、目標を持って取り組むこと。練習でできない事が試合では絶対にできないですから」。大学まで野球を続けた宮本さんも野球に対する情熱は熱い。エラーした後のカバーの遅れなど気の抜けたプレーがあれば厳しく叱ることもあるという。練習で緩慢な動きがあれば試合でも必ず出るからだ。守備の連係プレーや野球のセオリー、教えたいことは山ほどある。知れば知るほど面白くなるのが野球。だからこそ選手たちには高校に行っても野球を続けて欲しいと願う。

最後まで集中を切らさない、中体連で全国切符を掴む

昨年の中体連は県大会に進むことができなかった。岡田キャプテンは「最低でも県大会へ行くこと。目標は全国大会出場です。そのためには、試合の最初から最後まで集中してできるよう鍛える必要があります」と、メンタル面を課題にあげる。練習でどこまで厳しくできるか、そこが勝負どころだ。絶対に勝つという強い気持ちが、元々ある高いポテンシャルを更に上げ、その力が中体連本番で最大限に開花した時、安東中野球部の本当の快進撃が始まる。

グラウンドには選手たちの大きな声が響き、気合を感じた。安東中の梅沢野球はスタートしたばかり。夏本番までにどこまで力をつけてくるか。県大会で強豪校に勝利する粘る野球を是非見たい。

 

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