夢を追え! 松橋 崇史 氏 インタビュー

「大学生と一緒に活動できる貴重な機会を」

大学野球オータムフレッシュリーグin静岡 発起人
拓殖大学 商学部 教授

松橋 崇史 氏

大怪我から復活した高校時代。
冷静に自分を鍛え直す好機に。

小学3年から野球を始めて大学まで続け、高校は甲子園出場10回の進学校でした。1年夏からベンチに入り、秋からは投手と主軸打者を任されましたが、翌春に半月板損傷の大怪我。1年間のリハビリ生活を強いられましたが、怪我して初めて冷静に振り返ることができ、体や筋肉の使い方を考える良い機会になりました。上半身、下半身をウエイトトレーニングで鍛え直し、復帰した3年春の大会では打率が5割を超えました。打球の距離が伸び、足も速くなり、自分でも驚きました。夏は県ベスト4でしたが、結果的に大学でも野球を続けていきたいと考えるようになりました。諦めず、考え、努力を続けたからだと思います。

高校時代はがむしゃらに野球をする時期ですが、立ち止まって、体を作り直すことも大事だと思います。怪我をしないのが一番ですが、怪我は誰にでも起こりえますし、遠回りの様でそれが近道になることもあります。

考え続け、試行錯誤を続け、
スポーツによるまちづくりを。

大学では、社会問題を学問横断的な視点で解決しようとする総合政策学部で学び、スポーツ政策や事業にインパクトを与える人材になろうと大学院へ進みました。研究で得た知見を実践しようと企画したのが、大学野球のオリジナルフレッシュリーグです。2015年に新潟で「次世代育成大学野球サマーリーグ」を開催し、育成世代の試合機会の創出、地域活性化、学生主導型イベントのモデル構築を目的に、今年で9回目を迎えました。2018年には、「大学野球オータムフレッシュリーグin静岡」が始まり、今回が6回目になります。学生の育成とスポーツによるまちづくりを相乗的に進めようと、参加する大学野球部の選手から企画運営チームを組織。昨年からは地元の高校生も参画し、応援団やオリジナルグッズの企画販売、PVの制作など、一気に拡大しました。高校生にとっては、大会を創る仲間として大学生と一緒に活動する貴重な機会です。ぜひ挑戦し、多くの学びを得てほしいと思います。

近年は野球人口が減っていますが、大事なのは野球に触れる場を増やすため、考え続け、試行錯誤を続ける事です。この大会が10年、20年続き、野球教室で参加した小学生が高校で運営に参画し、大学生で戻ってきて、大人になって支える側に回る、そんな好循環が地域に根付いていくことを期待しています。


大学野球オータムフレッシュリーグin静岡 発起人
拓殖大学 商学部 教授

松橋 崇史 氏

1982年生まれ。茨城県出身。41歳。茨城県立竜ヶ崎第一高校を経て、慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、同大学院に進み、2012年政策・メディア研究の博士号を取得。東京工科大学助教、拓殖大学准教授を経て2023年4月より現職。スポーツマネジメント、スポーツ政策などの研究を実践に活かす活動を精力的に続け、自ら主導し大学野球のオリジナルフレッシュリーグに取り組む。大学野球オータムフレッシュリーグin静岡の発起人。主な著書に「スポーツまちづくりの教科書」(共著)などがある。

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