【夢追人】空手は「心」。 バレエと二刀流の超新星。

 

正剛道場
櫻井 美那さん(静岡高松中)

空手には、相手と対戦する「組手」、相手を想定し演武する「形(型)」がある。昨年11月に行われた静岡県中学生空手道選抜大会、中1女子「形」で3位に入賞し注目を集めた選手がいる。正剛道場に通う高松中2年の櫻井美那さんだ。空手に憧れていたお母さんの薦めで、小学1年からスポーツクラブの空手教室に週一回通い、2年生からはバレエも始めた。空手は遊び半分で何となく続けていたというが、小学4年の時、正剛道場の前田先生が教室の講師になり、空手への道が開く。5年生で黒帯になると、同クラブで習う子たちが参加する全国大会小学生女子有段者で準優勝、6年生では優勝を果たした。「元々素直で真面目な子。バレエをやっているので、体幹がしっかりしていて体の使い方が上手い。舞台度胸もあった」。小学6年から正剛道場に入り、現在は前田先生のいる焼津に週4回通う。

本物に触れ、更なる高みを目指す。道場入りから1年で県3位に。

道場はそれまでの教室とはレベルが違った。技の意味を理解し、正確さ、力強さが求められる。初めての全中県予選は1回戦負けだった。そんな彼女に、2度目の転機が訪れる。夏休みに富士宮で合宿中のスペイン代表サンドラ選手に会い、9月の世界大会で、同選手の世界最高峰の「形」を見た。「ビデオでは観ていたが、生は迫力が違う。凄かった」。そこから更に真剣に空手と向き合い、道場入りから僅か1年で県3位。実際の演武は長くて3分だが、練習では、指定形2種類、得意形3種類を何度も繰り返し、多い時は100回を超えるという。空手は「心」と櫻井さん。「前は体の線が細く、気持ちも弱かった。空手の形は自分との闘い。空手が心を強くしてくれた」。3月の全国大会、夏の全中が中止となり、晴れ舞台は先送りになったが、目標は、来春の選抜と来夏の全中の全国出場。「高校でも空手を続け全国を目指す。バレエも続ける」。今は空手とバレエに夢中だ。稽古中の真剣な眼差し、技の切れ、掛け声には、夢に向かう強い心が表れていた。

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