Go For It ! 大石慎之介選手インタビュー
練習は嘘をつかない。やった分だけ上手くなる。
ベルテックス静岡 SG・PG(#1)
大石 慎之介 選手
1987年沼津市生まれ。大岡中(全中ベスト16)、飛龍高校(インターハイ3年連続出場)、浜松大学(現:常葉大学 東海リーグ4連覇)を経て、bjリーグへ。 2012年、浜松・東三河フェニックス(現:三遠ネオフェニックス)に移籍。2018年よりベルテックス静岡。ツーポイントシュートを得意とし、相手の嫌がる執拗なディフェンスが持ち味。身長171cm。2019-20シーズン選手会長。
小学3年生の時、近所のお兄さんに誘われて練習を見に行ったのが最初でした。攻守の切り替えが早く、得点がたくさん入るバスケの魅力にハマり、両親に話をして、すぐにミニバスに入りました。全くの未経験ですから、最初は練習に参加できず、コート外でのドリブルばかりでした。でも、上手な子は練習に入っていくんです。それが悔しくて悔しくて。ミニバスは週3日でしたが、残りの4日もやりたくて、リングを買ってもらい、毎日一人で暗くなるまで必死に練習しました。できないことが悔しいから、できるまでやる。自分では努力してるという感覚はなかったですね。
6年生の時にはキャプテンを任され、東部では常に上位でした。でも、西部には全国優勝の新居小学校がいて、ミニバスでは県ベスト8止まり。僕たちは、打倒新居に燃えていました。中学校へ進学しバスケ部へ入部したものの顧問の先生は競技経験が無く、「スラムダンク」を見てバスケを好きになった方でしたが、独学で勉強し、熱心に指導してくれたんです。新居中に勝つためにチームが一つになり、ひたすら練習を重ねました。新人戦で初めて勝利した時は本当に嬉しかったですね。新居中とは毎回決勝で顔を合わせ、会長杯では負けましたが、中体連は第4Qに逆転勝利し全国へ。負けず嫌いの仲間が揃った、本当にいいチームでした。
高校に入ると、要求レベルが高くなり、先生に怒られてばかりの毎日。小中では自由にやっていたので、なぜ自分ばかりと思う時もありました。悔しいから、昼休みも、お弁当を食べてすぐに体育館に行って、仲間とギリギリまで練習していましたね。今思えば、自分に成長して欲しい期待からですが、その時は全くわかりませんでした。大学、社会人と大人になるにつれ、その意味が理解できるようになり、高校時代に精神的に鍛えられたことは、プロ選手になった今も凄く活きています。周りから言われ続け落ち込んでいる時、普段は口出しをしない親から「あんまり考え過ぎないで、自分のペースで周りを引っ張っていけばいい」と言われ、気持ちが楽になったことは今でも忘れません。
周りに支えられ、仲間に恵まれ、苦しい時期を乗り越えることで、技術も精神面も強くなりました。大学4年の時には、東海リーグのMVP、アシスト王、スティール王、DF王を獲得し、オールジャパンにも選ばれました。身長も高くない、バスケセンスも最初からあった訳ではない僕が、プロになり、B1でプレーするまでになれたのは、人一倍練習したからだと思います。練習は嘘をつきません。やった分だけ上手くなります。他の選手がボールを触っていない時間でも、ボールを触っていることで、他の選手との差が開くと思っています。NBA選手のプレーもよく真似しました。自分ができないことを見つけては、できるまで何回も。偶然できるのはダメで、常にできるようにならないと、試合では使えません。バスケが好きで、楽しいから続けられたのでしょう。人に言われてやるよりも、自分から率先してやる方が、上達が早いと思います。
2年前には、右膝前十字靭帯断裂の大怪我をしました。リハビリに近道はありません。毎回同じメニューをひたすら続け、無事復帰することができました。何事も小さな積み重ねが大事です。体の使い方、体の動かし方を改めて勉強し、一から自分を見つめ直す良い機会にもなりました。怪我がなければ、そうはならなかったでしょう。現在新型コロナウイルスの影響で、試合も練習もできず、つらい時期ですが、今だからできることがきっとあるはずです。気持ちを切り替えて、新しい目標を早く見つけることが大切だと思います。
Bリーグが中断し、再開の目途も見えず、来期のB2昇格もなくなってしまいましたが、今の目標は、2年連続B3で優勝することです。オレンジ色に染まった満員の会場で、B2昇格を決めたいと思います。多くの観客の方に来てもらうには、まずは結果を残すこと。そのためには、練習しかありません。また、ファンとの交流や地域貢献活動も大事な仕事です。クリニックだけでなく、体育の授業へ参加したり、給食を一緒に食べたり。小学校から大学まで、自分を育ててくれた静岡に、バスケットで恩返しすることが、自分の使命だと思っています。静岡から、全国へ、世界で活躍する選手を輩出できるよう、ベルテックスがもっと活躍して、ジュニア育成にも力を入れて、静岡を盛り上げていきたいですね。
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