1、2年生のみでWC県ベスト8。目標は部史上初の東海総体出場。

静岡県立静岡東高等学校
女子バスケットボール部

男子バスケ古豪の静岡東高校で近年、女子バスケ部が躍動している。公立進学校のため3年生はインターハイで引退し、1、2年生チームで挑んだ昨冬のウインターカップ(WC)県予選でベスト8。強さの秘密は同部オリジナルの全員バスケにあった。過去の高校チーム紹介はこちら

バスケも勉強も頑張りたい。部員の半数は国公立大に進学。

静岡東高女子バスケ部を指揮して7年目の川村先生は、同校男子バスケ部の出身で黄金期を支えた一人。指導歴は40年近く、現在は県の国体チーム総監督も務める名将だ。赴任当時は15名程度だった部員は年々増え続け、昨年はマネージャー含め34名の大所帯になった。現チームの選手、2年生9名、1年生13名は全て経験者。バスケも勉強も頑張りたい生徒が集まってくる。主将の栗田志織(2年)と副将の佐藤蓮乃(2年)は、中高一貫校から挑戦の場を求めやってきた。「勉強についていくのは大変だが、部活が楽しく、自分が成長できる」と声を揃える。練習時間は平日1時間半、週末2~3時間と短く、遠征先でも空いた時間に勉強する選手が多い。周りの努力に刺激を受け、部活をやりながら成績が上がり、約半数は国公立大学に進学するというから驚きだ。

人気の理由は部の雰囲気にもある。みんな実に楽しそうで、やらされている感じがない。同校では中学生向けに公開授業を行い、部の練習も見学できる。同部では中学生チームとの合同練習や試合も積極的に行い、そこで触れる明るく楽しい雰囲気に魅せられた中学生が、「ここでバスケがしたい」と受験勉強を頑張るのだ。今春には更に部員が増える見込みという。目標を叶えるために努力を惜しまない選手が集まることが、チームの強さの根源にある。

新人戦の悔しい結果を糧に、静岡東らしい全員バスケを。

チーム全体の平均身長は160cmと決して高くなく、絶対的なエースはいない。先発は2年生だがバックアップの主力は1年生、学年は関係なく実力とバランス重視だ。目指すのは、ベンチ入りの18人が状況に応じて積極的に動く全員バスケ。オールコートプレスを主体とした守備のチームだが、川村監督は静岡東独自の戦い方にこだわる。マークする相手を決めないマンツーマンやマンツーマンからダブルチームへの変化、ポジションは特に決めずに状況に応じて選手が判断し、選手を全員入れ替えることもある。対応が大変そうだが、それを理解し実践できる練習を積み、上位2チームを除く県内8チームで戦うU18県一部リーグ3位に入る地力をつけてきた。

WC県ベスト8で自信をつけたチームは、新人戦で中部優勝、県ベスト4、東海大会進出を狙ったが、中部準々決勝でまさかの敗退。静岡商業に2点差だった。県大会は2回戦で浜松学院に敗れ、悔しい結果に終わった。栗田主将は「自信からの油断があった」と気を引き締める。部の最高成績は一昨年の新人戦中部優勝だが、コロナ禍で県大会が中止となり、初の東海大会進出は夢と消えた。3年生最後の夏に目指すのは、ベスト8の壁を破り、部史上初の東海総体出場。静岡東オリジナルの全員バスケを貫き、最高の笑顔で目標達成することを期待したい。


キャプテン
栗田 志織(くりた しおり)
KURITA Shiori

小学3年生から大里西ミニバスで競技を始め、静岡大成中学のバスケ部へ。色々な人が集まる環境で勉強も頑張ろうと同校に進学。1対1の突破力と流れを変える3ポイントシュートを得意とし、声出しはチーム一番。「高校最後の総体はプレーでもチームを引っ張り、後悔のないように全力で」と燃える元気印のリーダー。


副キャプテン
佐藤 蓮乃(さとう れの)
SATO Reno

小学1年生から不二見レイカーズでバスケを始め、清水南中学では主力として活躍。自宅からは遠いが、合同練習で触れた同部の雰囲気に魅かれ進学を決意。パスを得意とし、高いキープ力と豊富な経験値でチームを落ち着かせるキープレーヤー。総体に向け「もっと判断力を磨いて、試合の流れを変えられる選手に」と意気込む。

過去の高校チーム紹介はこちら

おすすめの記事

関連記事