サッカーと勉強を両立。「全体練習1時間」の短時間練習を効率よく。目指すは県ベスト16。
静岡県立静岡東高等学校
サッカー部
サッカー伝統校でも強豪私立校でもない。それでも、サッカーが好きだから続ける高校生は大勢いる。静岡東高校のサッカー部員も同じだ。公立進学校の彼らにとっては決して低い目標ではない、県ベスト16を目指す道のりを聞いた。
ミスなく確実につないでいく。自分たちができるサッカーを。
3年生は受験に専念するため、インターハイが最後の大会になる。新チームは例年5月にスタートし、リーグ戦中部1部リーグ、秋の選手権、冬の新人戦、春のインターハイを戦う。部員は2年生21人、1年生19人。学業を優先に、平日(月曜休み)の練習時間は、年間通じて15時半~16時45分とかなり短い。今年で5年目の堀監督は、当初2時間程度だった練習時間を、部員たちと対話を重ね減らしていった。1時間の全体練習の後は個人ごとの自主練を奨励し、続けるのも帰るのも自由。選手は自分の課題を自主練で克服しながら、ゲーム形式中心の全体練習で試行錯誤する。1年生から自主練に積極的だったキャプテンの井上拓哉(2年)はフリーキック力を磨き、最近の公式戦ではハットトリックの活躍を見せた。チームは「自分たちができる力を最大限に生かすサッカー」を目指す。30m蹴れなければ20mを正確に、一人で運べなければ二人で。それを確信したのが、8月に行ったラブリッジ名古屋(なでしこ1部リーグ2位)との練習試合。8割以上ボールを保持され、0対2の完敗に衝撃を受けた。ミスのない短い距離のパス、ディフェンスの速い寄せは、スピードとパワーに勝る相手にも勝てる良い手本になった。
選手権3回戦はPK戦での惜敗。やっぱり勝ちたい。自主練強化。
チーム運営も進化を続け、昨年から部長とキャプテンの2人体制に変わった。部長の多々良夢人(2年)は部員への声掛けを積極的に行い、部全体をマネジメント。部員の声出しも増え、「チームが一つにまとまってきている」という。プレーで仲間を鼓舞する井上と、タイプの異なる2人がチームを牽引する。9月に行われた選手権一次トーナメントは3回戦で浜松工業にPK戦の末敗れたが、先制点を決められても、ベンチ内外のメンバー全員が「大丈夫。逆転できる」と盛り上げチーム一丸で戦い、3対3に追いつく粘りを見せた。以前よりも強くなったと感じる一方、悔しさも増していく。「勝てば次は橘だった。やりたかった」と井上。学業優先でも「やっぱり勝ちたい」。他の部員も思いは同じだ。敗戦の後、自主練に参加するメンバーが増え、同じ課題を持つ者同士が集まり、練習の質も向上してきた。堀監督は「ここ5年間でサッカーのレベルが一番高い。これからが楽しみ」と期待を寄せる。目標は県ベスト16。春から1、2年生で頑張って来たチームで挑む新人戦はチャンスだ。昨年は県大会初戦敗退のベスト64。決して簡単ではないが、自主練で一人一人のレベルを上げ、チームとして自分たちができる力を最大限に発揮できれば勝機は見えてくる。高校時代に勉強もサッカーも頑張る経験は貴重だ。今しかない、自分が選んだ青春を楽しんでほしい。
部長・FW
多々良 夢人(たたら ゆめと)
TATARA Yumeto
大里中学出身。年長からサッカーを始め、静岡南SCを経て、中学はロプタ静岡でプレー。ポジションはセンターフォワード。自主練では大事な場面で決めきるシュート力を磨く。部長としてチーム全体をまとめ、「今年は力のある1年生も多い。チーム一丸で戦いたい」と意気込む。
キャプテン・MF
井上 拓哉(いのうえ たくや)
INOUE Takuya
長田西中学出身。年中からキューズFC静岡でサッカーを始め、中学はFC.LESTEでプレー。ポジションはトップ下。広い空間認識能力を持ち味に、得点に絡むプレーを得意とする、攻撃の中心的存在でチームの得点源。頑張る背中でチームを引っ張る。大学でも大好きなサッカーを続ける予定。
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