静岡県女子サッカーリーグ1部に所属し、新人戦は県ベスト6。 横断幕に掲げた「一勝一笑」を合言葉に、のびのび、楽しいサッカーを。楽しくサッカーをやることは、どこにも負けない!!

静岡大成高等学校
女子サッカー部

平成12年に創部し、現在、静岡県女子サッカーリーグ1部に所属する静岡大成高校女子サッカー部。平成24年の新人戦準優勝が最高成績で全国大会出場歴はないが、純粋にサッカーを楽しむことならどこにも負けない、強い信念を持つ。

狭小グラウンドでも創意工夫。選手が練習を考え、試合で実践。

横断幕に掲げる「一勝一笑」が、大成女子サッカー部が目指すサッカーだ。創部から指導に携わり、現在は副顧問の松井先生は「楽しくサッカーをやることは、どこにも負けないのが自慢」と笑う。練習中も試合中も、指導者の怒鳴り声が響くことはなく、選手たちはのびのびとサッカーを楽しむ。部員のほとんどがサッカー経験者だが、中には初心者もいる。全くの未経験から同部でサッカーを始めた姉の楽しそうな姿を見て、中学ではテニス部だった妹が昨年入部した。経験問わず、サッカーを楽しむ風土が根付いているのだ。監督5年目の内田先生も松井前監督同様、選手との距離感が近く、多くは語らず、選手たちの考える力を重視する。昨年の新チーム発足後、選手たちは監督に「苦手な部分を改善するために、練習メニューを自分たちで考えたい」と相談し、内田監督も歓迎した。メニューの内容は2年生6人が週替わりで担当。「人によって苦手意識が異なり練習内容も変わるけど、自分たちで考えるのは楽しく、全体の底上げにもなる」と原田明依(2年)キャプテン。市街地の学校の狭いグラウンドで工夫を凝らし、週末の試合で実践する。勝敗に関わらず、結果が出れば共に喜ぶ。そんな選手たちの姿を見ようと応援に来る保護者も多い。

新人戦4試合連続完封。10人で守り切った全員サッカー。

部員は2年生6人、1年生5人の11人ギリギリ。新人戦は、体調不良などから10人で戦ったが、予選リーグ3試合全てを失点0に抑え、2勝1分で予選を突破した。決勝トーナメント1回戦も10人で挑み、富士市立に1対0で勝利。準々決勝で静岡翔洋に0対4で敗れたが堂々の6位だった。センターバックの原田を中心に全員で守り、国体U16県代表のバックアップメンバーにもなったキーパーの三浦珂乃(1年)がゴールを死守した。狭いコートで磨いたパスワーク、全員の声掛け、選手同士で工夫するセットプレーがチームの武器だ。何よりも「試合が楽しい」という気持ちが本番でも生きてくる。

静岡県には、藤枝順心、常葉橘、全国トップレベルの2チームがあり、静岡翔洋、磐田東を加えた4強を崩すのは容易ではない。今年の目標は、高校総体、選手権の2大会でベスト6に入り、静岡翔洋、磐田東に挑戦すること。課題は攻撃力の強化だ。3学年揃った春以降が勝負となる。選手主体の考えるサッカーが強豪チームにどこまで通じるか、「一勝一笑」を胸に、その過程を思う存分に楽しんでほしい。この試行錯誤の繰り返しは、社会人となった将来必ず生きてくる、貴重な財産だ。


キャプテン センターバック
原田 明依(はらだ めい)
HARADA Mei


吉田町立吉田中学出身。小2からサッカーを始め、小4から順心ジュニア、ジュニアユースを経て同校サッカー部へ。ディフェンダーとして豊富な経験を持つ、1対1に強い守備の要。「チームの仲が良く、みんなで考え、話し合って練習したことが試合でできるのが嬉しい」とチームを引っ張る。


ゴールキーパー
三浦 珂乃(みうら かの)
MIURA Kano


清水第六中学出身。小3でサッカーを始め、試合に出たいと小5からキーパーに。中学時代は清水FCに所属し、全国大会を経験。憧れの先輩キーパーがプレーした同校に進み、1年生ながら、的確な指示出しと俊敏な動きでゴールを守る絶対的守護神。「3年生の時に県ベスト4を目指したい」と上を見据える。

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