総勢62名の静岡翔洋ラグビー部。部員の約半数が未経験者ながら常に全国大会出場を目指し、県高校総体は2年連続13回目の優勝。目標は高校ラグビー県大会決勝で 「50点差をつけて勝利」し花園へ。

東海大学付属静岡翔洋高等学校
ラグビー部

男子47名、女子10名、マネージャー5名、総勢62名の静岡翔洋ラグビー部。部員の約半数が未経験者ながら常に全国大会出場を目指すチームには、スポーツを楽しみ、目標に向け努力を惜しまない選手たちの姿があった。

キック合戦に敗れた昨年。今年は「継続してアタック」。

男子は、新人戦、高校総体、全国高校ラグビーなど、これまで数多くの県優勝実績を誇り、近年は静岡聖光学院と全国大会出場の座を競い続けている。花園を懸けた戦いでは、一昨年は14対7で勝利し、キック合戦となった昨年は7対21で敗戦。今年は「継続してアタック」をテーマにチームを磨いてきた。身長185㎝超えの選手3人を揃える強力なFW陣を高校日本代表候補のナンバーエイト名取稜太郎(3年)がリードし、相手を押し込みながらボールをつなぎ前進。要所ではキックとランニングに長けたキャプテンの山口航太朗(3年)が最後方からチームを支える。ここまで県内では無敗という強さで県高校総体2年連続13回目の優勝を決め東海3位、セブンスでも6大会ぶりに県を制した。今年3年目の津高宏行監督は、ヤマハ発動機で7年間プレーし、引退後は選手の育て方や戦術を学んだ指導者。「まずはラグビーを楽しむこと。その上で目標に向かって努力することの大切さを学んでほしい」と話す。選手に求めるのは「凡事徹底」。サポートの精度やスピードといったプレーに限らず、挨拶や整理整頓など、常に視野を広く、当たり前のことを実行できる、社会で通用する人間への成長を願う。人工芝グラウンドやウエイトルームに加え、トレーナーやスポーツ栄養士など、充実した環境も強みだ。週3~4回ウエイトトレーニングを行い、FW陣6人の平均体重は80㎏から90㎏に増えた。「目標は全国高校ラグビー県大会決勝で50点差をつけて勝つことです」と山口。圧倒的な強さで県を制し、花園に乗り込む覚悟だ。何よりも、自分たちが強くなる過程、仲間と分かち合う勝利を楽しんでいる。

女子の目標は全国U18セブンス。部員10名が東海1位に燃える。

女子部員は3年生3人、2年生4人、1年生3人。県内で唯一、7人制ラグビーの試合ができる人数を揃える。目標は全国U18セブンス大会出場だ。静岡代表として、9月開催の東海地区予選で1位を目指す。2年前は決勝で敗れ、涙を飲んだ。以降は大会中止が続き、3年生にとっては最後のチャンスだ。「目標は全国で一勝」と杉田陽和キャプテン(3年)。部員の半数以上が初心者だが、練習は男子と一緒に行い、スピードやタックルへの対応力を上げてきた。相手を恐れず立ち向かう気持ちは負けない自信がある。「学年関係なく、体格やスピードなど、自分たちの個性を生かすチームの一体感が強み」と杉田。ラグビーに大切な結束や勇気を備えたチームの10人全員が、クラブチームや強豪校がひしめく全国大会で躍動する自分たちの姿を熱望している。男女揃っての全国大会出場に向け、まずは女子チームが先陣をきる。


男子キャプテン
山口 航太朗(やまぐち こうたろう)
YAMAGUCHI Kotaro
清水四中出身。中学ではサッカー部。中3の時に見たラグビーW杯「日本対アイルランド」、県大会決勝「静岡翔洋対静岡聖光学院」に刺激を受け、同校に進学しラグビーを始める。左足から繰り出す正確なキックとランニングが持ち味のフルバック。「部員全員の仲が良く、勝った時の達成感は格別」と今年に入り県内無敗のチームを牽引する。(前列右から3人目)


女子キャプテン
杉田 陽和(すぎた ひより)
SUGITA Hiyori
埼玉県出身。小学1年からラグビーを始め、中学時代はバスケ部。「3年間燃える何かがほしい」と姉のいる同部で再びラグビーの道へ。恵まれた体格を生かしたタックルを武器に、フランカー、ロックをこなし、18歳以下日本代表候補の合宿にも参加。15人制ラグビーの東海選抜メンバーでもあり、大学進学後もラグビーを続ける予定。(写真中央)


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