中高一貫のバスケ名門校。 伝統のディフェンスを磨き、まずは一歩ずつ上を目指す。

常葉大学附属
常葉高等学校
バスケットボール部

県内最多の全国大会出場歴を持つ常葉大学附属常葉高校バスケ部。昨年も2大会共に決勝進出を果たしたが、浜松開誠館高校の牙城は固かった。新チームとなった今年は?監督とキャプテンに話を聞いた。

中学~高校、同一方針の下、
心と体、バスケの基礎を徹底指導。

チームを率いて35年目を迎える小前宏史監督は、女子バスケチーム「シャンソン化粧品」のアシスタントコーチを経て、1987年に同部監督に就任した。1991年のインターハイで全国大会初出場を果たすと、チームは県内最多優勝回数を誇る全国大会常連校へと成長していった。卒業生には日本代表入りをした選手もいる。中等部の監督も務め、同じ方針のもと選手を指導するのは、中高一貫校の中でも珍しい。常葉中バスケ部は、1998年に全国大会初出場を果たし、準優勝に輝いた。指導方針は「清らかな、きれいな心でバスケに向き合うこと」と小前監督。試合中に掲げる横断幕には「平常心」「一意専心」の言葉が並ぶ。周囲に惑わされることなく、ひとつのことに集中する、冷静な判断ができる、心の強さ、清らかさを大事にする、それが常葉バスケの根底にある。チームスタイルは一貫している。しっかりとしたディフェンスを中心に守り勝つバスケだ。股関節を柔らかく低い姿勢を保ち、相手の攻撃を食い止め、攻守の切り替えを素早く、得点を重ねていく。「やるべきことを理解できれば、あとは選手を信じて、伸びるのを待つ」という小前監督は、選手の成長を促す環境づくりも視野に入れる。「先日、シャンソン化粧品が、4季ぶりにWリーグベスト4に進出しました。こんな近くに見本となるチームがあるので、練習を見学する機会なども作っていきたい」と積極的だ。

新人戦は中部地区6位。
経験不足を向上心でカバー。

現在の部員は、3年生3人、2年生8人、1年生11人には中等部から9人全員が加わった。全国まであと一歩だった昨年から、新チームで挑んだ春の新人戦は、まさかの中部6位。昨年のチームで試合に出ていたのはキャプテンの三瀬未来(3年)の1人だけ、しかも2年以上続くコロナ禍で、県外強豪校との練習試合も組めず、選手たちの経験不足は想像以上だった。「まだまだ基本ができていないし、試合に向かう全員の気持ちも足りない」と三瀬。それでも「全員が練習に真面目に取り組み、向上心を持って選手同士が切磋琢磨するのが常葉の強み」と、粘り強いディフェンスからブレイクできるチームづくりに意欲を燃やす。今の目標は、中部地区1位になることだ。昨年敗れた開誠館を倒したい気持ちはあるが、まずは目の前の一戦一戦から力をつけていく。体育館には、黙々と基礎練習に励む選手たちの姿があった。ボールを持たず、姿勢を低く、素早い動きをひたすら繰り返す。新人戦の悔しさを、インターハイ予選にぶつける覚悟だ。全員がレギュラーを目指すことが、確実にチームの底上げにつながる。


キャプテン
三瀬 未来(みせ みらい)
MISE Mirai

愛媛県松山市出身。小学4年生からバスケを始め、中学時代に全中ベスト16。父親の仕事の関係で、高校から静岡へ。自ら行動して常葉高の練習会に参加し、「この先輩たちと一緒に、開誠館を倒して全国に行きたい」と同校へ進学。ポイントガードとして1年生からレギュラーを勝ち取り、今年からキャプテンに。鋭いドライブからゴール下に切り込んでのシュートを得意とする。

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