静岡学園中学校サッカー部

勝つ術は選手が考える。自由なサッカーで頂点を目指す。

昨年冬のU14新人戦県大会で優勝した静岡学園中。過去に2度の全国制覇をしている
強豪校が目指すサッカーとは? 静岡学園出身の岡島監督に話を聞いた。

選手個人が考え、磨く技術とアイデア。

静岡学園と言えば、個人技とテクニック。これまで多くのJリーガーを輩出している。現在の静岡学園中は、受験に合格すれば誰でもサッカー部に入ることができる。勉強もサッカーも頑張りたい子たちが集まり、1年生が入ると100人超えの大所帯となるだろう。今年のチームについて岡島監督は「自分からよく練習する子が多いですね。一番大事なのは、サッカーが好きで上手くなりたいと思うこと。私は勝つための細かい指示はしません。選手たちが自分で考え技術やアイデアを磨くことが、個人の成長と将来につながるので」
グラウンドでは紅白戦や個人練習をしていたが、聞こえるのは選手の声ばかり。監督、コーチは見守るだけ。サッカーを楽しむ選手たちの巧みなボールさばきがとても印象的だった。

ボールは一人一個。とにかく数多く触ること。

静岡学園中では全員が一人一個ボールを持ち、リフティングやドリブルをひたすら練習する。特に決まったパス練習や走り込みはない。ボールにたくさん触れることが上達の近道というのが、静学サッカーを作り上げた井田総監督の考えだ。
個人練習の自由度には正直驚いた。数多くの選手が入り乱れて、思い思いにシュートしたりドリブルしたり。
「中学は体格差が影響する時期だが、あくまで通過点。それぞれの子がその子なりに成長して欲しい。基本的に選手間に差をつけることはありません」と岡島監督。
誰に言われるでもなく、早朝や週末にグランドで個人練習する選手もいる。今はレギュラーになれなくても、ボールに触り続け、体が追いついた時に花咲く子も多いそうだ。

「自由にやって勝つ」それが静学サッカー。

「勝てよとは言いますが、勝つ術は教えません。自分達でどうすべきか分かって欲しい。だから失敗も多いんです」と岡島監督。勝つためのサッカーに対して「自由にやって勝つ」のは難しいが、そのスタイルを変えるつもりは一切ない。失敗の中から気づき考えることが、チームおよび個々の成長に最もつながるからだ。選手が考える自由な静学サッカーを確実に引き継いでいる。
大きな大会に進みプレーが目に留まれば、選手達の可能性はさらに広がる。プロサッカー選手、日本代表を目指して、思う存分アピールして欲しい。

目指すは中体連全国優勝。守備の練習もしっかりと。

キャプテンの行徳君はU15日本代表候補。チームの目標を聞くと、「中体連で全国制覇。チャンスを多く作れても決められず、気が緩んだ時に失点することが多い。上で勝つには守備の練習をしっかり積むこと」と課題までしっかりと自分の言葉で語ってくれた。答えは自分達で見つけていく。これがこのチームの強さなのだろう。
「これが中学レベルのサッカーか」。個人技やテクニックだけでなく、視野の広さやパスのアイデアなど目を見張るものがあった。サッカー王国静岡を思い起こさせてくれる静岡学園中のワクワクするサッカーがこれからも楽しみだ。

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