Go For It ! 立田 悠悟選手インタビュー
大好きなサッカーだから頑張れる。困難すら楽しむ気持ちが大切
清水エスパルス DF(背番号2)
立田 悠悟選手
1998年、清水市(現静岡市清水区)生まれ。小学生時代は入江サッカースポーツ少年団、清水クラブでプレー。清水エスパルスJr・ユースのセレクションに合格し、同ユースを経て2017年にトップチームに加入。同年ルヴァンカップでプロデビューを果たす。
静岡市清水区(旧清水市)生まれの僕の家には、昔から清水エスパルスのうちわや旗が飾ってありました。土地柄もあってか、生活の中にいつもエスパルスの存在がありましたね。
仲のいい友達にもサッカーをやっている子が多くて、僕も小学2年生のときに少年団のサッカーチームに入りました。そのころは、当時エスパルスの10番をつけていた藤本淳吾選手に憧れていて、10番のユニフォームを着て学校に行くこともありました。
4年生のとき地元のクラブチームに入団して、インサイドキックやボールリフティングなど、サッカーに必要な基礎技術を教えてもらいました。当時はサッカーがとにかく楽しくて、小学校のグラウンドが空いていればボールを持っていって練習したり、一人でも壁当てをやったりしていました。サッカー三昧の毎日で、それ以外に何をしていたのか覚えていないくらいです(笑)。
中学に入学したらみんなと同じようにサッカー部に入ろうと思っていたのですが、両親から「本当にそれでいいの?」と聞かれて、エスパルスのジュニアユースのセレクションを受けてみることにしました。誰もが選ばれるわけではないとわかっていたので、思い切ってチャレンジして合格したときはとても嬉しかったです。
ジュニアユースの練習はやはりレベルが高いし、試合での対戦相手も県外のチームであることがほとんど。サッカーの幅も、自分の世界も広がって「もっとうまくなりたい」という向上心が湧いてきました。
中には同い年で一つ上の学年とプレーしている選手もいたので、「自分も負けたくない」という思いがとてもいい刺激になりました。小学生の頃はみんなで仲良く楽しくという感覚だったのですが、中学生になるとそういったライバル心も芽生えるようになったんです。ただ、悔しいという思いだけで終わらせることはなく、その悔しさとしっかり向き合って、ステップアップすることをきちんと意識して練習に取り組みました。そのプロセスも楽しむことができたと思います。小学生のころの純粋な楽しさとは、また違った種類の楽しさですね。
中学の最後の頃は、そのままユースに上がれるかどうかが、自分の中ではとても重大なことでした。ジュニアユースに入ったとき、エスパルスの「スクール」「ジュニアユース」「ユース」「トップ」というピラミッド図を見せてもらったことがあって、上のステージに進むことがどれだけ狭き門なのかも理解していたので、僕自身はきっと無理だろうと思っていました。結果的にそこを突破できたおかげで、今の自分がいると感じています。
サッカーを始めて今年で13年目になりますが、自分の人生をかけて取り組めることが見つけられたのは本当に幸せなことだと思います。サッカーじゃなかったら、僕はこんなに頑張れていなかったでしょう。
また、サッカーを通じて出会ったチームメイトも僕にとって財産です。小学生のころ一緒にプレーしていた友達は今でも応援に来てくれたり、しんどいときには悩みを聞いてくれたりもします。素晴らしい仲間ができたのはサッカーのおかげだし、その縁はこれからも大切にしていきたい。エスパルスや日本代表のチームメイトとも、ずっと仲良くしていきたいと思っています。
今の僕の目標は、まずチームで全試合フル出場すること。そして、来年の東京オリンピックに出場して子どもたちに夢を与えられるようなプレーをすることです。それを実現させるためにも、小さなことを毎日コツコツと積み重ねる。これは、僕がサッカーを練習する上で昔から大事にしている考えなので、今静岡でスポーツを頑張っている子どもたちもぜひ実践してもらえたら嬉しいです。
そして、僕が何より大切だと思うのは、練習でも試合でも楽しむこと。つらいことすら楽しむくらいの精神で、これからもスポーツを続けていってください。