今夏25年振り県大会出場。バレーでつながる仲間が互いを認め合う最高の場所。

静岡学園高等学校
女子バレーボール部

5年前には部員も経験者も少なかった静岡学園高校女子バレーボール部が、今年のインターハイで25年振りに県大会に出場した。そこには、部員たちが学年問わず仲間を尊重し合い、バレーボールを心の底から楽しむ姿があった。

バレーボールを生涯続けてほしい。部活も勉強も頑張る選手たち。

チームを率いる外山監督(30歳)が就任したのは今から5年前。当時は部員が少なく、一時は7人になることも。初心者も多く、初戦敗退が常のチームだった。「最初は厳しく指導していましたが、今はバレーボールの楽しさを知ってもらい、大人になっても続けてもらうことを大事にしています」と外山監督。中・高・大学で培った経験から、バレーの基本やルール、動き方を指導、中学生の指導にも参加し、徐々に経験者が集まるようになった。新チームの2年生8名、1年生6名は全員経験者だが、市内中学出身者で、中学時代に名をはせた選手はいない。文武両道の校風とバレー部の明るい雰囲気に魅せられ、「バレーも勉強も頑張りたい」と同校に進んだ部員がほとんどだ。卒業生には、国公立や有名私立大学への進学者も多い。部長の曽根田蘭(2年)は「みんなが同じ目標に向かって、仲間と仲良く、一生懸命バレーできる場所。こんなにいい環境でバレーができて幸せ」と仲間への感謝の気持ちに溢れている。大竹布実乃(2年)も「何でも言いたいことが言えて、理解し合える素晴らしい仲間」という。先輩が後輩に優しく、互いに尊重し合う風土が根付いているからだ。そういう部の雰囲気が、バレーをより楽しくする。曽根田と大竹は「バレーは生涯続けたい」と声を揃えた。

選手全員がキャプテン。目標は県大会ベスト16。

練習は、平日4日2時間、日曜休み(試合の場合は翌日休み)。短時間に集中して取り組み、アスレチックトレーナーによる専門的なトレーニング、大学生や中学生との交流、関東への遠征なども行う。専門知識の習得や様々な経験がバレーの楽しさを高めるからだ。今年の3月遠征では、東京の強豪校と3日間対戦し、チームも個人も大きく成長。インターハイ県大会出場への大きな転機になった。県大会スタメンの内4人が残る新チームは、正セッターの望月李紗(2年)が怪我で離脱する中、8月の市内大会で3位と健闘した。エースは身長169㎝のサウスポー、鎌田歩(2年)。前からも後ろからも決めきる力があり、中学時代は無名だったが、中部地区選抜の18人に選ばれる成長を遂げた。一人に頼らないように、昨年からキャプテンを決めず、全員がキャプテンの意識で試合に挑む。大竹が、各選手の課題を冷静に見極め、監督と対話しながら練習内容を調整する。平均身長は決して高くはないが、ブロックに当てて全員でつなぐバレーが持ち味だ。目標は来夏のインターハイ県ベスト16。昨年のベスト32超えを目指す。勝負よりもバレーの楽しさを追求するチームだが、部員全員が同じ目標に向かって努力を続けることが、部活動の大きな意義であり、チームスポーツの醍醐味でもある。真剣かつ主体的に練習する選手たちを、バレーを知る監督が温かく見守る。勉強もバレーも頑張りたい高校生にとって最高の場所だ。


部長・サイドアタッカー #3
曽根田 蘭(そねだ らん)
SONEDA Ran

安倍川中学出身。小学3年生からバレーを始め、強豪の安倍川中では3年時にスタメンで中体連県ベスト8。仲間と楽しくできる部活で勉強も頑張ろうと同校に進学。1年生から試合に出場し、アタッカーでありながら、どんなボールも諦めない広い守備範囲が持ち味。最高の仲間と県ベスト16を目指す。


サイドアタッカー #1
大竹 布実乃(おおたけ ふみの)
OTAKE Fumino

清水第二中学出身。中学からバレーを始め、中学3年時にはキャプテンも務めた努力家。勉強とバレーの両立を考え同校へ。1年生からリベロで出場し、昨秋からアタッカー。3月の遠征で相手を見て冷静に打ち分ける力をつけ、県大会出場に貢献。「バレーが楽しい。ずっと続けたい」と目を輝かせる。

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