高校総体団体戦県ベスト4。合言葉は自分を超える「超戦」。絶対に走り負けない持久力で、全国を目標に、古豪復活!
静岡女子高等学校
バドミントン部
過去には高校総体と選抜を合わせ全国大会出場5回の静岡女子高バドミントン部が、インターハイ中部地区予選団体戦で10年ぶりに優勝し、県ベスト4に入った。1年生主体のチームが躍動し、古豪復活への期待が高まる。
絶対に走り負けない。鍛えた持久力と気持ち。
今年6月に行われた高校総体県大会、静岡女子高バドミントン部は準々決勝で強豪・伊豆伊東と対戦した。高校の団体戦はダブルス2本、シングルス3本。3つ取った方が勝つ。試合はダブルス2本を失い、崖っぷちからシングルス3連勝。大逆転勝利を決めたのは1年生、中澤桃音、髙橋果歩、大石歩未の3人だった。顧問の影山先生は、同部を指導し6年目。小学生から競技を始め、インターハイ全国出場経験を持つ指導者が目指すのは、走り負けないチーム。特にシングルスでは、コートの中で走り負けない体力が勝敗を左右することを知っているからだ。八幡山でのトレイルランニングなどで持久力と気持ちを鍛える。「女子のチームでは、どこよりも厳しい、強度の高い練習をしていると思います」と影山先生。31歳の今も競技を続け、部員たちとも打ち合う。練習は週6日、朝練も週2回ある。県ベスト4の原動力となった1年生は、その厳しさを求めて同部にやって来た。
今までの自分を超えるため。練習はキツイけど、楽しい。
バドミントンは3ゲーム制の2ゲーム先取。影山先生は「ファイナルゲーム(3ゲーム目)になればうちのもの」と体力と気持ちの強さならどこにも負けないと選手に伝えている。中澤は印象に残る試合に、団体戦中部予選準決勝の静岡翔洋戦をあげた。2対2で迎えたシングルス3本目。1ゲームを失い、2、3ゲームを連取しての逆転勝利を「本当に嬉しかった。走り負けないバドミントンができた。ここに来て良かった」と振り返る。その勢いのまま、決勝では長年中部地区を連覇していた藤枝西に3対1で勝利し、10年ぶりの団体戦中部優勝を決めた。影山先生は高校時代の恩師から受け継いだ「超戦」という造語を用いて、「今までの自分を超える戦いをしよう」と部員たちを鼓舞する。そのハイレベルな練習環境を求めて、市内の男女中学生たちも同部の練習に参加するように。髙橋もその一人だった。「めちゃキツイけど楽しい」と言うのは、練習した分だけ上達するのが目に見えてわかるから。それが同校進学の決め手になった。練習では、先生だけでなく、市内の強い男子中学生とも打ち合い、県外遠征で強豪校と試合する機会も多い。
現在のチームは、高校から競技を始めた2年生2人と経験者の1年生4人。最低5人必要な団体戦を6人で戦う。夏は3位決定戦に敗れ東海総体出場を逃したが、10月の新人戦(選抜)で東海大会出場(県3位以内)を目指す。上位には、加藤学園、星陵、常葉菊川が揃い、静岡翔洋や藤枝西も強敵だ。「静岡市内の高校を県ナンバー1にしたい」と影山先生。「もっと上手くなりたい、強くなりたい」。自ら「超戦」し続ける部員が更に増えれば、古豪復活も夢ではない。
1年生
髙橋 果歩(たかはし かほ)
TAKAHASHI Kaho
清水小島中学出身。小学5年生から小島ジュニアで競技を始め、6年生から同校の練習にも参加。部員が少なかった中学では個人戦県ベスト16が最高。シングルスを得意とし、ラリー力では負けない技術と体力を持つ。目標は粘り強い奥原希望選手。まずは団体戦で東海大会出場を果たし、来年は個人戦でも東海に進む県ベスト8以上が目標。
1年生
中澤 桃音(なかざわ ももね)
NAKAZAWA Momone
金谷中学出身。片道1時間かけて同校に通う。小学2年生から競技を始め、中学は部活がなかったため同じクラブの子と出場した個人戦ダブルス県8位が最高。ジュニア時代に先輩がいる同部の練習に参加し、「自分に一番向いている」と進学を決意。目標はパワー系の大堀彩選手。カットを得意とし、団体、個人戦の両方で東海大会出場を目指す。
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