常葉大学附属橘中学校 女子サッカー部

目指すは全国制覇。将来なでしこで活躍するためにも。

中高一貫校の橘中学には全国を目指す県内のサッカー女子が集まる。昨年の全国大会はベスト16。この4月から監督に就任した江塚監督に、今年のチームについて話を聞いた。

基本は個人の技術向上、高校で花開くように。

橘高校・中学女子サッカー部には共通した目標がある。「高校で全国4連覇の藤枝順心に勝って全国制覇する」「なでしこの選手を輩出する」「人間形成」の3つだ。現在の部員は、3年生10人、2年生9人、1年生12人。全国を目指し、橘でサッカーがやりたくてセレクションに合格し入学した子たちだ。遠くは浜松や駿東郡から毎日通う。元々技術の高い選手たちだが、高校で最大のライバル藤枝順心に勝ち、将来なでしこで活躍できる選手になるためには、中学時代にどこまで技術を上げられるかが大事だと江塚監督は話す。1年生から1人ボール1個を持ち、ドリブルやリフティングを中心に徹底して個を磨く。高校で戦術を身につけた時に大きく開花するように、高校女子チームを率いる元日本代表の半田悦子監督と連携しながら選手を育成する。

結果を求める先に成長あり、攻撃と守備のバランスが鍵。

今のチームはゴールに向かう姿勢が強く点を取れる選手が揃う反面、守備には課題が残るという。確かに一対一や三対三の練習ではゴールに鋭いシュートが決まる場面が多かった。サッカーはどんなに得点しても、それ以上失点したら負けるスポーツだ。大会前は特に、声を掛け合いながら複数でボールを奪う守備力の強化に取り組む。また、試合での駆け引きや球際の強さ、スピード強化のために、今年から市内の中学男子サッカー部との練習試合を行っている。最大の目的は選手の育成だが、「試合に勝つ」という結果を求めることが選手の成長にもつながると江塚監督。PK戦でも1対0でも負けは負け。負けず嫌いであることが選手自身をたくましくし、高みを目指す原動力になる。

控えメンバーやベンチ含め、全員で戦い、全員で勝つ。

チームが目指すのは、全員で攻めて全員で守るサッカーだ。それは試合に出ていないメンバーも同じ。いつでも交代できる準備や一秒でも早い選手への水出しなど、常に意識するように指導している。プレーでもプレー以外でも、チームのために今自分が何をすべきか、選手それぞれが自分の頭で考え行動することが目標のひとつである「人間形成」にもつながるという。少しでもサボっているメンバーがいれば強豪校に勝つことは難しい。しかし、ベンチも含めてチームが一体となった時には力以上の何かが生まれ、勝利をものにすることができる。それがチームスポーツであるサッカーの醍醐味でもある。

「全国制覇します!」キャプテンの力強い宣言。

監督が厚い信頼を寄せる大箸桜子キャプテンにチームの目標を聞いた。「今年の夏の大会で全国制覇します」と何の迷いもなく言いきった。将来は、なでしこジャパンで活躍するのが夢だという。直近の大会で勝ち進めば、昨年の全国制覇チームJFAアカデミー福島との対戦が実現する。強いチームと戦うことで得るものは大きい。その前には、順心、翔洋が立ちはだかる。ライバルの存在が彼女たちを更に強くする。

「夢は見るものでなく、叶えるもの」元日本代表澤穂希の座右の銘である。全国制覇、なでしこジャパン、夢を夢で終わらせない。彼女たちの熱い夏が始まる。

 

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