女性アスリートと健康

子供のために大人が知っておくべきこと

女性アスリートと健康

 学校でも社会においても、女性と男性で分け隔てのない環境が整えられる時代になっています。
一方でスポーツの世界では、男女が区分されて競技が実施されることに何の疑問もありません。これは、体格や体力の違いへの配慮はもちろん、女性と男性、お互いを尊重する伝統的な思いの表れではないでしょうか。

 そんなスポーツの持つ素晴らしい理念を踏みにじるような時代がかつてありました。国の力やプライドを示すシンボルとして、スポーツが利用されたのです。勝つことだけが目標となり、過酷なトレーニングが強いられて、時には薬物まで使用されました。
そのひずみは、女性アスリートにより重くのしかかりました。月経は止まって当たり前、むしろそうなるくらいでなければ強くなれないのだと。

 女性アスリートにとって、月経は、心身ともに健康な状態で活躍するための大切なバロメーターです。なかったり止まったりは、エネルギーの摂取(食事量)と消費(運動量)のアンバランスや、ホルモンに関わる特別な病気も考慮する必要があります。痛みや周期のタイミングに関しては、薬物療法も選択肢の一つです。

 月経が正常でない状態が続くことは、アスリートの健康をむしばみ、貧血や骨や時には心の問題となって、その後も結婚や出産を含めて長く女性を苦しめます。成長期であればなおさらからだと心に大きな影響を及ぼすでしょう。

 女性アスリートが健康で活躍し、そして輝くために、保護者や指導者、仲間の理解と思いやりが不可欠です。スポーツの世界は、その伝統においても実際に関わる一人一人の思いとしても、女性を大切にし、女性に優しい場所でありたいものです。

文・田中敏博

 


<プロフィール>
田中敏博。静岡市葵区出身。小児科医。 静岡厚生病院小児科、勤務。 小学校から現在までバスケットボールを続ける。 (公財)日本スポーツ協会公認スポーツドクター。(一社)静岡県バスケットボール協会理事 兼、スポーツ医科学委員会委員長。

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