何でもお悩み相談室(2)
スポーツ・文化・芸術に取り組むジュニアアスリート達とそれを支える指導者、保護者達。真剣であればあるほど、抱える悩みは尽きないもの。大好評連載の「小野澤宏時のオフ・ザ・ボール」ですが、今回はご自身も2児の父親である小野澤宏時氏が、そんな悩める皆様の質問にお答えします。
Q1.「勝つことが全てではないとわかっていても、どうしても意識してしまいます。子どもの成長を第一に考える上で、注意すべきことはありますか?」
勝つことは全てではないですが、勝ちたいと強く思うことは正しいと思います。
子ども達には勝った先にある外的報酬を意識させず、勝敗がつくことへの良い緊張の中でチャレンジさせてあげたいものです。
コーチングの世界には”AthleteFirst”ではなく”AthleteCentered”という考え方があります。学習者を一番に考えるのではなく中心にそえ、その他は全て環境だという考え方です。天気やルール、施設だけでなくコーチや親、友人なども学習者にとっては環境なのです。生命に関わる安全以外の部分では、コーチが「教える」ではなく学習者が「学ぶ」という能動的な環境となっていることが大切だと考えます。試合や練習で指導者が話し、子どもが「はい!」とだけ言ってゲームに戻るようなチームトークにならないよう注意しています。
Q2.「スポーツに苦手意識がある親が、スポーツに苦手意識があり団体競技でミスをした子供に、どのようにアドバイスをするべきでしょうか?」
まず子どもが本当にアドバイスを必要としているか確認してみてください。意外に子ども自身が答えを持っていることがあります。そこを引き出すような問いかけをしてみるのはどうでしょうか。「今日はどうだった?」や「次はどんなプレーをしてみたい?など。そこで自分の意見が出るようであれば、それを後押ししてあげてください。
もし子供から「今日はダメだった」とだけ返ってきた場合でも、《10-0》で答えを出すのではなく「10点満点だったら何点だった?」など試合の中でできた部分(成功体験)を認識させる問いかけをするのはどうでしょうか。子どもが「3点」と答えたとしたら「3点分はどんなことができたの?」と尋ね、「じゃあ、満点にするにはどうしようか?」と聞いてみると子供自身が問題を抽出し修正するサポートができます。
ラグビー界+さまざまな競技のコーチが参加するオンライントレーニングが行われました!
外出自粛から生まれたプラスの機会を縮小させるのではなく「拡大させたい!」と考え Bring up アカデミーではオンラインでのトレーニングを実施しました。東京校(2校)、静岡校、アイスホッケークラスの4校同時で行い、競技や地域の枠を超えたオンラインならではの拡がりを子供達も体感しています。いまではフィジーやミャンマーの子ども達も加わり、当初の目的を超えた異文化空間を体験できるグループとなっています。もともと東京校には外国からのコーチや生徒も多く、子供達も英語、フィジー語、スペイン語などすぐに飛び越える能力が身についています。
<問い合わせ>
Bring Up Rugby Academy
ブリングアップ ラグビーアカデミー静岡校
詳しくはこちらまで!:https://www.bu-as.com/rugby
悩める皆様からの質問を受け付けております。こちらよりご応募ください。
<プロフィール>
小野澤 宏時(おのざわ ひろとき) 静岡県島田市金谷町出身。1978年生まれ。元ラグビー日本代表。静岡聖光学院中等部、高等部、中央大学を経て、トップリーグではサントリーサンゴリアス、キヤノンイーグルスに所属。日本代表キャップ数(出場回数)81は歴代2位。名ウィングとして「うなぎステップ」を武器に代表戦55トライ。現役時代から教育に興味があり教員免許を取得後、筑波大学大学院へ進学、その後日本体育大学の修士課程から博士課程に進み、教育、指導に関する研究に携わる。2018年よりBring Up Rugby Academyコーチ。2019年より、静岡初の女子7人制ラグビーチーム「アザレア・セブン」監督。他、大学講師など多方面で活躍中。
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