静岡済生会ドクターによるジュニアアスリートのためのメディカルコラム

人間の体にとって水分は非常に大切です。成人の場合、体の約60%が水分ですが、生まれたばかりの赤ちゃんは水分量が多く、なんと70~80%もあります。成長に伴い徐々にその割合は低下していきますが、子供は代謝が盛んで自分で症状を訴えることが少ないため、簡単に脱水状態になってしまいます。

では、1日にどのくらいの水分が必要なのでしょうか。
学童期は体重1㎏あたり60~90㎖の水分が1日に必要と言われています。つまり体重20㎏の児では約1500㎖、体重27㎏の児では約2000㎖が1日の必要水分量となります。ただし、これらは食物中の水分も含み、また、いろいろな条件で変化するので、あくまで目安として考えましょう。スポーツクラブでの激しい運動や気温・湿度、児の体調でも大きく変動します。摂取する水分量と尿や汗から失われる水分量のバランスがくずれたときに脱水状態になります。

スポーツ中にのどが渇いたと感じた時にはすでに脱水状態です。そうなってからでは遅いため、運動中は飲みたくなくても定期的に水分を補給する癖をつけましょう。また、胃腸炎などの感染症の時も同様です。水分摂取が難しい上に、発熱や嘔吐・下痢により喪失する水分量も多くなっているため、普段以上に水分摂取を意識する必要があります。ただし体内の水は電解質(塩分)を含んでいるため、ただの水やお茶だけの補給では、電解質が薄まってしまうだけで脱水状態は改善しません。水分と同時に塩分や糖分の摂取を心がけましょう。

文・浅田一志


<プロフィール>
浅田一志
静岡県伊豆市出身。小児科医。
静岡済生会総合病院小児科勤務。

「ケガとその対応について」編

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