「書の可能性」を追い求め、自由に自分を表現する楽しさ。「静岡書道パフォーマンスアワード」には毎年出場し、過去には銀賞に輝いたこともある同部。本番に向け猛特訓した書道パフォーマンスで感動を届ける!

静岡県立城北高等学校
書道部

2018年に始まった「静岡書道パフォーマンスアワード」に毎年出場し、2019年銀賞、2021年銅賞に輝いた城北高校書道部。その幅広い活動で有名な同部には、自由に楽しく「書の可能性」を追求する、部員たちの生き生きした姿があった。

3年間でメキメキ上達。個性を大事に、書を楽しむ。

現在の部員は、2年生6人、1年生12人。小さい頃から書道教室に通う経験者もいれば、全くの初心者もいる。活動は、火・水・木の週3日。同校で書道(1年生の選択科目)を教える杉山先生が週2日、同部を指導する。部員は先生のお手本を見ながら練習し、筆使いや空白の取り方などの技術を学び、初心者でも半年で驚くほど上達するという。「上手になるから楽しい。もっと上手くなりたいから真剣に取り組む、いい循環があります」と顧問3年目の落合先生。「1年前の自分の字は見たくない」というほど毎年レベルアップする技術は、高校生にとって大きな財産だ。

同部は「書の可能性~誰にもできないことを 誰もやったことのないことを~」を掲げ、自らの個性を表現し、見る人に感動を与える書を追及する。書道には「楷書」「行書」「草書」「隷書」など様々な書体があるが、どの書体で書くかは自分で決める。お手本を見ながら書きたいように書き、直すべき部分のみ指導。楷書から甲骨文字に変えて、のびのびと個性を発揮する生徒もいるという。「好きな書体を見つけるのも、それぞれの個性が書に現れるのも楽しい」と町田菜穂(2年)部長。個人で出展する書道展、他校書道部との合同作品展、部員同士で力を合わせる共同制作や書道パフォーマンス、幅広い活動を通じて書を楽しむ。まさに書の可能性だ。書道部に入りたくて同校に進学する生徒がいるのも頷ける。

パフォーマンス本戦前の猛特訓。筆に青春を懸けるアスリート。

第5回静岡書道パフォーマンスアワードのテーマは『Color-わたしたちの色-』。同部は、県内外から参加した15チームの映像予選を8位ギリギリで通過し本戦出場を決めた。今回は2年生6人、1年生2人の8人で挑む。通常は週3日の活動も大会前は毎日、12月18日の本番に向け猛特訓中だ。縦4m×横6mの巨大紙に何を書き、どうパフォーマンスをするかは部員たちが決める。本戦は予選と同じ内容でも良いが、これでは勝てないと変更した。練習では新聞紙をつなぎ合わせた巨大紙に、音楽に合わせた自分たちの動きを確認しながら筆を走らせていく。これは、書道であり、アートであり、スポーツだ。真剣に取り組む姿はアスリートそのもの。昨年1年生で参加した久住咲璃(2年)副部長は「先輩の足を引っ張らないように必死だった」と家で何度も練習したという。「大変だけど楽しい」「作品になった時の達成感がある」「自分を成長させることができる」。昨年経験した町田と久住が目指すのは「見ている人に感動を届ける」ことだ。半年前の出産間際まで同部を指導した同部OGの風間先生も楽しみにしているだろう。体全体を使い、筋肉痛とも戦いながら、今の自分たちが伝えたいことを表現する。果たしてどんな色を表現したのか。動画はホームページにアップされるので、興味のある人は是非見てほしい。


部長
町田 菜穂(まちだ なほ)
MACHIDA Naho


大川小中学出身。小2から中3まで書道教室に通い、特待生(中学生以下の最上段位保有者)の資格を持つ。高校受験で一旦筆を置いたが、再び書の道へ。2022年「書の甲子園」高校選抜にて入選。書道パフォーマンスアワードでは「見ている人の心を動かす作品を!」とチームを牽引する。


副部長
久住 咲璃(くずみ さり)
KUZUMI Sari


大里中学出身。小2から書道を始め、中学時代は校内の書初めにて3年連続金賞。活動的な同部に魅力を感じ「自分も挑戦したい」と入部。現在は隷書を中心に技術と個性を磨く。「城北高校の作品が一番印象に残ったと言ってもらいたい」と書道パフォーマンス本戦での上位進出に意欲を燃やす。


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