3月の全国高校選抜テニス大会に男女団体揃って出場した静岡市立高校硬式テニス部。公立校ながらインターハイ(高校総体)常連の強豪チームは、県内から集まる有能な選手たちが互いを高め合う空気に満ち溢れていた。

静岡市立高等学校 男女硬式テニス部

互いに刺激し合う仲間。東海地区優勝の注目ペアも。

男女で挑んだ全国選抜団体戦。男子は3回戦で福岡の名門・柳川高に敗退してのベスト16、女子は20年ぶりのベスト8と活躍した。周りは、全国から選手を集める強豪校ばかりだ。3月6日に行われた東海毎日ジュニアテニス選手権大会の18歳以下ダブルスでは、男子の大場巧士(3年)・塩崎凱世(2年)組、女子の稲葉梨莉(3年)・櫻田しずか(2年)組が優勝。男女ともに東海地区の強豪16ペアの頂点に立った。
部員は男子12人、女子9人、校内の3コートを男女で分け合い練習する。全国の私立強豪校に比べれば決して恵まれた環境ではない。それでも、創部69年の伝統チームから全国を目指そうと、毎日片道1時間以上かけて通う生徒たち。小中学時代から県内各地のテニスクラブに所属し、熱戦を繰り広げてきたライバル同士だ。厳しい環境でやりたかったと磐田から通う大場は「一人一人が上手くなろうという意識が高く、レベルアップできる」という。中学生時にダブルス全国準優勝経験のある櫻田は、他県の強豪校からの誘いもあったが「県内で一緒にテニスをしてきた子たちとみんなで頑張りたい」と同部を選んだ。ここ1年はあまり行けていないが、試合のない週末は基本的に県外の強豪校と試合を行う。二人とも「全国で活躍している選手と試合する中で学ぶことが多い」と口を揃える。

勉強や生活態度もしっかり。人間力を高め、試合に挑む。

男子顧問の長谷川先生は13年目。これまで高校総体5度、選抜に6度出場している。全国で勝つには、ボールへの入り方などの基本が最も大事と基礎練習を徹底。課題は対外試合から自分で見つけると、細かな指導はしない。「部活は教育活動の一環。テニスを通じて、人間性を育てるのが目的。挨拶やマナーなど、テニス以外の話の方が多いです」。テニスはコートに入れば1人。自分の思い通りにいかない事も多く、人生に近いという。
女子顧問の杉本先生は7年目で、高校総体、選抜に各3度出場。男子同様、基礎練習をベースに、谷津山を走ったり、タイヤを押したり、体力面を強化する。選抜優勝の四日市商業には、東海地区予選決勝と本大会の準々決勝で敗れたが、勝てない相手ではないという感触を掴んだ。「テニスも勉強もしっかり。気持ちを強くすれば、テニス強豪校にも負けません」
4月から高校総体に向けた予選が始まった。団体戦では、男子が全国ベスト8、女子は優勝を目標に掲げる。身長190㎝超えのビッグサーバー塩崎とペアを組む大場は、個人戦ダブルスで優勝を、櫻田はシングルス、ダブルス共に優勝を目指す。文武両道で鍛えた精神面が必ずコートで生きてくる。県内出身者で挑む公立校が、全国ベスト8の壁を破る偉業に注目したい。

 

大場巧士

Koushi Ohba(おおば こうし)
磐田市出身。小学3年からテニスを始め、高1の時に16歳以下全日本ジュニアでダブルス全国ベスト4。フラット系の強いフォアハンドと安定したバックハンドを武器に、ネットプレーも得意とする。選抜の結果に「勝ちたい気持ちが足りなかった」とメンタル面とサーブの強化が課題だ。好きな選手はガエル・モンフィス。

櫻田しずか

Shizuka Sakurada(さくらだ しずか)
函南町出身。小学1年からテニスを始める。昨年の全日本ジュニア選抜室内テニス選手権シングルス全国13位。「身長が低いので、自分から攻めていく」攻撃的なテニスを持ち味に、色んな球種を使い分け、賢いプレーで相手を崩す。試合前にも聞くという音楽と甘いものが大好き。最近のお気に入りはYOASOBI。

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