4月6日、東海大静岡翔洋高女子硬式野球部の創部会見が行われた。県内高校初、全国の東海大付属高校でも初となる女子チームだ。総勢29人でスタートする一期生の目標は全国制覇。静岡から東海の縦縞が、高校女子野球を熱くする。

東海大学付属静岡翔洋高等学校 女子硬式野球部

未知の世界に挑んだ3人。まさにゼロからのスタート。

女子野球部発足が発表されたのは昨年1月。それまで女子高生が高校で野球を続けるには県外に行くしかなかった。翔洋高がその受け皿になりたい。創部は、翔洋中高野球部を長きに渡り指導し、野球人口減少を危惧する弓桁監督たっての希望だった。そして昨年4月、創部前の野球部に3人の1年生が入部した。ソフトボール部出身の齊藤美咲、中学野球部でスタメンだった岡村妃菜、野球未経験ながら昔父親が着ていた東海の縦縞に憧れ興味を持った中村めいの3人だ。3人は、個人練習に加え、新たなグラウンドの整備やユニフォームのデザイン、説明会での呼びかけなど、1年間創部に向けた準備を進めてきた。まさにゼロからのスタートだった。そして、2年生となった4月、1年生26人を加え、静岡初の高校女子硬式野球部が誕生した。創部会見で村上校長は「未知の世界に飛び込んできた3人は宝物」と称賛した。「試合をやりたいと頑張ってきた3人の努力があってのこと。本当に嬉しい」と弓桁監督。初代主将となる齊藤は「東海の伝統、縦縞のユニフォームに恥じぬよう、チーム一丸で頑張っていきたい」と抱負を語った。

全員参加で打ち勝つ野球を。のびのび楽しく女子らしく。

新入部員は県内から16人、県東部の駿河マリンガールズなど、軟式やソフトボール経験者をはじめ、中には初心者もいる。関東からの10人は、中学女子硬式野球東日本大会の優勝メンバーやシニアチームのエースなど、レベルの高い選手が揃う。受け皿がないのは東京も同じだった。弓桁監督は「厳しい決まりごとに縛られない、のびのびとした野球を彼女たちが作っていく。ただし、求めるのは日本一。そこは妥協しない。経験豊富な1年生とゼロから築き上げた2年生との融合で、どんな化学反応が起こるか楽しみ」と目を細める。東海伝統の打ち勝つ野球を基本に、中高で実践した打撃理論を指導する。平日練習は週4日、週1で体幹トレーニングを行う。土日は蒲原シニアなど地元チームの協力もあり、既に試合で埋まっている。4月29日からは、中部北信越のチームが集まるセンターリーグが始まる。2チーム編成で全員が試合に出られるようにし、経験者が未経験者を教えることで、野球の楽しさを広めていく。
7日の公開練習では、選手たちの鮮やかなグラブさばきとスナップの効いたスローイングが報道陣をうならせた。男女アベックで日本一になるのが夢という弓桁監督に、夏の全国高校選手権に向け「1期生の29人で全国制覇したい」と齊藤主将。10日に行われた初の練習試合は、松本国際高(長野県)に5-4の劇的なサヨナラ勝利だった。「野球をできるのが嬉しくてたまらない」。そんな彼女たちの声が聞こえてくる。

キャプテン 齊藤美咲

Misaki Saito(さいとう みさき)
御前崎市出身。中学のソフトボール部では主将を務めた。高校では野球部マネージャーを考えていたが、女子野球部発足を知り入部を決断。スクールバスで片道2時間を毎日通う。予想以上の新入部員数には驚きと喜び。「今の目標は縦縞のユニフォームを全国に披露すること。後輩に負けないように頑張らないと」

安藤 琳

Rin Ando(あんどう りん)
富士市出身。小学生から野球を始め、中学ではソフトボール部に所属。創部を聞き、ピッチャーをやってみたいと入部。硬式は初めてだが「恐いけど、楽しい方が勝っている」と根っからの野球好き。地肩が強く、可能性を秘めた選手。「岡村先輩の綺麗な投球フォームを見習って、将来はエースになれたらいいな」
とで、野球の楽しさを広めていく。

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